びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

マルグリット・ユルスナールの『火 散文詩風短篇集』を読んだ。
たった2葉だが、野中ユリの挿画が良かった。
ちなみに、本名はマルグリット・ド・クレイヤンクールで…
ユルスナール(Yourcenar)は、クレイヤンクール(Crayencour)のアナグラムとなっているらしい。


この作品は、

この本が決して読まれぬことを望む。

とゆー一文で始まる。
おお~っ、カッコいい書き出しだなー、と思って期待して読んだんだが…
どーも、この作品は、いわゆる文学作品とゆーよりも、個人的な文章に近いらしく、

パイドラーあるいは絶望
アキレウスあるいは嘘偽
パトロクロスあるいは運命
アンティゴネーあるいは選択
レナあるいは秘密
マグダラのマリアあるいは救い
パイドーンあるいは眩暈
クリュタイムネーストラーあるいは罪
サッポーあるいは自殺

とゆー風に、歴史上の人物や神話の登場人物を採り上げているんだが…
ここで語られる物語は、全く違う物語なのだ。
登場人物の名前こそ同じだが、内容は全く別の話だ。
リ・イマジネーションとゆーか…
つまり、ここで行なわれているのは、
様々な登場人物とそのシチュエーションを借りて、作者自身の意見とゆーか、心情を綴っているワケだ。
よ~するに、極端な話、物語なんて、ど~でもイイってコトだ。
コレはある意味、非常に個人的な日記にも似ている。
だからこそ、「読まれぬことを望む」で始まっていたのだ。
まるで、文学少女の解りにくい日記を盗み読みしてるよーなカンジだったぜ~。
作者の同性愛志向も、俺にはよくわかんなかったしなー…

いないとき、あなたの姿は拡がって、宇宙を満たすほどになる。亡霊のような、流動性のものになる。いるとき、あなたの姿は凝縮し、あなたは最も重い金属、イリディウムや水銀のような重みを持つにいたる。その重みが心臓の上におちかかるとき、私は死ぬ。
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火 散文詩風短篇集

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by inugami_kyousuke | 2010-02-20 09:09 | 文学