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犬神狂介の【狂人日記】

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CUTIE HONEY キューティーハニー

【80点】

●永井豪原作、庵野秀明監督、佐藤江梨子主演作品。
日本のコミックやアニメという文化を踏まえた上で、この作品は正しい。
監督の意図した事は、ほぼ100パーセント伝わっている、と思う。
そういった意味で、非常に力のある監督だと思う。
人はよく、ジャンルでその作品の価値を判断するが、それは外見で人を判断するようなモノである。
大切なのは中身である。
つまり、作品に込められたメッセージこそが重要なのである。
見てくれに騙されてはならない。
純文学だろーが、文芸大作だろーが、メッセージが伝えられない作品はタダのゴミでしかない。
この作品は、多くの日本人が見て育ったであろう「戦隊ヒーローもの」や「特撮もの」の系譜を継ぐ意図を持って作られ、それらのセオリーをビミョ~にずらして描く事によって、いわゆる「突っ込みどころ満載」の楽しめる作品として完成されている。
従って、それらの原体験のない人やこの手のシャレが好きでない人には、ちょっと理解しがたい作品かも知れない。
ただ…コレはキューティーハニーではない。
サトエリのハニーの役作りは、明らかに『ドクタースランプ』のアラレちゃんである。
「んちゃ!」が「んじゃ!」になっただけだ。
たしかに面白いけど…色気は皆無だし、なんだかロボットみたいだし!
ストーリーや設定も、改変が多く、原作をそのまま映画化したというよりも、むしろ全く別物の「庵野版キューティーハニー」と考えた方が良いだろう。
『新世紀エヴァンゲリオン』から7年…
この作品のメッセージは非常にポジティブなモノだ。
なぜ、今、キューティーハニーなのかはよくわからないが…。
ほとんど、趣味で撮ったよーにも思える。
この作品の最大の見せ場と言って良い変身シーンが、例の菊池桃子や葉月里緒菜のアレと同じ…とゆーのはマズかった。
もー少し、他の逃げ方はなかったのだろうか?
庵野監督ともあろう人が…!
いわゆるコスプレなんだけど、全然ウレシくない。
ヘンな肌色の服は、ジジイのステテコみたいでダサい!
某所からの圧力で、「やりたいコトの1割も出来なかった」らしいが、エロなしのキューティハニーは、そもそもキューティハニーじゃないと思う。
ミッチーこと及川光博の最高傑作は、『マンハッタン・ラブストーリー』で、2番目がコレだと思う。
「2番は、省略しておこう…」とゆー決めゼリフはサイコー。
ヘンなメガネ女(秋夏子)や早見青児の部分はベタでクド過ぎるので好きになれないが、敵の怪人たちのキャラクターがどれも秀逸で、ビックリした。
改めて静止画として見ると、驚くほど面白い絵が多く、絵作りの才能を再確認するコトとなった。
個人的にはパート100くらいまで見てみたい気がするが、おそらく、商業的に成り立たないと思うので…
次回作は、もー少し一般ウケする作品を期待したい。
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by inugami_kyousuke | 2006-02-15 22:04