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犬神狂介の【狂人日記】

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キャリー2

【3点】

●名作『キャリー』のオリジナルの続編。
つまり、スティーヴン・キングの作品とは、何のカンケイもない。
地味だし、全くコワくないけど、個人的にはキライじゃない。
昔のホラーは、こーゆう「プロムの夜の惨劇」みたいなのばっかりだった。
前作は、イジメの部分がかなり陰湿で、暗く、全く救いのない話だったのに対し、今回は基本的なストーリーは同じだが、救いのある作品になっていた。
再三、主人公はブスブス言われていたが、俺にはそんなにブスには見えなかった。
この作品は、『ロミオとジュリエット』がモチーフとなっている。
今回、2人の障害となるのは、「家柄」ではなく、「群れ」だ。
人間関係に於いて、己れを殺してまで、「仲間」と迎合し、常に「群れの中」で生きて来たジェイソン・ロンドンと、「ブス」と呼ばれ、常に「群れ」から疎外されて来たレイチェル(エミリー・バーグル)が結ばれるコトは、「群れ」のルールでは「許されない行為」だったのである…!
冒頭で衝撃的な自殺を遂げる、主人公の親友リサ役で、ミーナ・スヴァーリが出演している。「フットボールで奨学金をもらえないと、大学へ行く事も出来ない」と、誰にも言った事のない悩みを打ち明けるジェイソン・ロンドンに対して、「大丈夫。きっと成功するよ。だって、あなた、フットボール上手いもん。本だって書けるよ!」と応援するレイチェル。
もちろん、レイチェルはフットボールをよく知らないし、この希望的観測には、何の根拠もない。
だが、「信じてくれる人が、たった1人でもいる!」という事実こそが、彼の「自信」となり、力となるのである。
人とは、そーゆうモノだ。
この物語は前作と同じ「悲劇」だが、随所に希望と救いがちりばめられている。
ホラー作品には不似合いな犬種の犬が、全編にわたって出演しているが、ストーリー上は全く必要のない存在だが、あえて削らずに残しているのは、この犬こそが、癒しと希望の象徴だからである。
親友とお揃いで入れた腕の「ハートに薔薇」のタトゥーが、パワーの開放と共にみるみる全身に伸びてゆくのはカッコ良かった。
顔に走ったタトゥーが、あたかも「イバラの冠」のように見えたのは、決して偶然ではあるまい。
原題の「ザ・レイジ」は「激怒」とゆー意味らしいが、それほど激怒していたようには見えなかった。
むしろ、パワーの爆発力は前作と比べて、スケールダウンしていたよーな気がする。
前作のラストで、キャリーが完全に心神耗弱状態で、パワーをコントロール出来なかったのに対し、レイチェルは完全に自分の意志で殺戮を行なっていたように見えた。
それにしても…なぜスー(エイミー・アーヴィング)が死ななきゃならなかったのか?
それに、今回はキャリーが出ているワケじゃないんだから、タイトルは『レイチェル』だったんでは?
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by inugami_kyousuke | 2006-02-17 00:28