びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

キャリー

【80点】

●ブライアン・デ・パルマ監督、スティーヴン・キング原作作品。
この作品は、キングにとってもデ・パルマにとっても、キャリアの原点となった記念すべき作品である。
キングは、実際に『シャイニング』のようなシーズンオフのホテルで働きながら『キャリー』を執筆し、完成させたものの、自信が持てずに、そのままゴミ箱に捨ててしまった。
それをキングの奥さんが拾って読み、出版に至った…とゆーのが、この作品が世に出たきっかけであり、作家=キングの始まりでもあった。
また、俺個人としては、いまだにこの作品がデ・パルマの最高作品なのではないかと思っている。
単なるホラー(厳密には、エスパー・テーマのSFだが…)だが、「現代のヒッチコック」と呼ばれるデ・パルマ監督だけあって、非常に緻密に計算された作品だ。
全てがラストの「破局点」に向けて収斂する作りになっており、「精密に作り上げた砂の城」を一気にぶっ壊すような爽快感がある。
そうだ。
この感覚は、古い日本映画の「任侠もの」の「お約束」…「殴り込み」に似ている。
ナンシー・アレンが、小悪魔的なイジメ役を好演している。
「ヒロイン=美人=最後まで生き残る」という当時のセオリーを覆した設定が衝撃的だった。
この作品の特異な点は、フツー「イジメられっ子」を描いた作品でも、主人公は美人だったりするモノだが…この作品は違った。
主演にシシー・スペイセクを起用したこと…がまず一点。
そして、当時27歳のスペイセクが、17歳の少女の役を文字通り体当たりで演じきったこと…。
その演技は、アカデミー賞こそ逸したものの、ちょっと見たことがないくらい迫真の演技だった。
その結果、この作品は単なるホラーやSFではなく、凄まじいまでのリアリティを得たのである。
デ・パルマ名物「360度ブン回しカメラ」がキモチいい。
ラストの大虐殺を「殺人者を肯定的に描いている」と受けとって、不快に思う人もいるよーだが、ソレは違う。
この作品は、フツーの「復讐もの」ではない。
虐殺したのはキャリーであって、キャリーではない。
事実、キャリーはその力を制御出来ない。
つまり、その巨大な力は、神そのものなのである。
だから、罪人も、善人も、等しく裁きを受けねばならなかったのである。
ソドムとゴモラのように…!
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by inugami_kyousuke | 2006-02-18 01:38 | 地獄行き(それ以下)