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犬神狂介の【狂人日記】

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ハチミツとクローバー2(アニメ版)

ノイタミナ『ハチミツとクローバー2』が終わった。
最終回は、ほぼ全編、全員が「はぐと花本先生」の擁護をして終わったカンジだった。
ファーストシーズンは素晴らしかったが、セカンドシーズンは…
コンセプト自体がまるで違うので、サイテーだった。
一生懸命、作った砂の城を、最後にメチャメチャにブッ壊されたよーな…
非常に強い不快感と違和感のみが残った作品だった。
原作者は、どーも、グループの中でカップルを作らないコトに固執していたよーだが、そのこだわりに、何か意味があったのだろーか?
まぁ、何を描こうと自由だとは思うが。
だからって…
無理矢理、グループの外の人と結びつけなくたってイイと思うんだが?
たしかに竹本と森田は片思いのまま終わったワケだけど…
それは単に、「椅子とりゲームで、椅子がなかっただけ」のよーな気もするし。
ディスコミュニケーションをテーマにするのなら、それを最後まで描ききって欲しかった。
「グループ内の恋愛」が予定調和だと言うのなら、「グループ外の恋愛」も大差はない。
予定調和であるコトに、何ら変わりはない。
両者の違いは、多少、着地する地点が違う、とゆーだけの話だ。
結果…
この作品は、いわゆる「寸止め空手」のよーな作品として完結してしまった。
この作品は、美しくない。
0か100か、道は2つしかなかったのに…
この作品は、50の道を選んでしまった。
もっとも、ありふれた、つまらない道を。
現実に、こーいった恋愛関係を否定する気はない。
が、ココで描かれた恋愛は、どれも真っ当な恋愛関係とは言えない。
はぐと花本、理花と真山、山田と野宮…
どの女性も、本当に好きな人は別にいる。
相手が死んでいたり、他の人のものだったり…と、理由はみな違うが、全員、本当に好きな人とは一緒になれない、とゆーコトになっている。
そして、傷ついた女性に、寄り添って、傷をなめ続ける犬のよーな存在として、オトコたちがいるのだ。
前を向いた女性と、真正面からつきあうのではなく、後ろから、そっと抱きしめるよーな関係だ。
あるいは、やがてはソレが、愛に育ってゆくのかも知れない。
「愛のかたち」は、人それぞれだ。
否定する気はない。
幸せならば、それでイイじゃないか、とも思う。
が、しかし…
たとえば、竹本の行動はどーだ?
現実的に、彼がやったコトは、たった1回、花火の時に「好きだよ」と言っただけだ。
あとは、ずっと自転車に乗ってただけなんだから!
ずっと、自問自答して、勝手に自己完結しちまっただけなんだから!
本当に、それしか道はなかったのか!?
「金がないから、あきらめた」?
「就職出来なくなるから、あきらめた」?
何ですか、ソレ?
「金がないヤツは恋愛するな」と?
「就職してから恋愛しろ」と?
そーゆうコトですか?
じゃあ、森田は何なんだ!?
ヤツぁ~、金なんか、それこそ、腐るほど持ってるし。
やる気になれば、ダンボール箱なんてチンケなモンじゃなく、病院を丸ごと買収して、世界的な名医を招聘し、最先端のリハビリをはぐに与えられたハズなのだ。
「時間がないから、あきらめた」?
「才能が勿体ないから、あきらめた」?
この作品…あきらめのオンパレードじゃねーですか?
更に、森田との関係に於いて、はぐは自分の気持ちから逃げたまんまだし!
「ラクだから、花本を選ぶ」ってんですか?
ソレ…
ホントに恋愛なんスか~?
だいたい、花本は理花を愛してるんじゃねーのかよ!?
人は、誰だって、失いたくない大切なものを持っている。
それでも、すべてを失ってでも、愛を選ぶからこそ…
選ばざるを得ないからこそ…
愛は偉大なんじゃねーのかなぁ~…
この作品の人たちは、みんな、愛を捨てちゃうんだよね。
一人で勝手にあきらめて、捨てちゃって…
現実を取る。
仕事や金や才能や時間…
すなわち、それは「自分自身」を優先する、とゆー意味で、
「愛は、自分を捨ててまで選択する価値はない」っつー結論ですか?
…話にならん!!
谷崎潤一郎の『春琴抄』を読んでから、も~1回、1巻から全部描き直せ!!
近来稀に見る、唾棄すべき作品だ!!
by inugami_kyousuke | 2006-09-17 12:11 | テレビ