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犬神狂介の【狂人日記】

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デューン 砂の惑星

【98点】

●なんか…なぜか、誰もこの話に触れないんだが、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』は、この作品のパクリなんで。まぁ、正確には、この映画ではなく、原作のパクリなんだけど。以前、『ライオンキング』が『ジャングル大帝』のパクリだ、と話題になったコトがあったけど、それと同じくらい、『ナウシカ』はカンペキなパクリです。フランク・ハーバートの原作は、ヒュ-ゴ-賞も受賞したSFの古典である。そして、この作品のスゴい所は、デューン(砂丘)と呼ばれる架空の惑星アラキスの生態系から文化・習俗に至るまで、まるごと一つ、世界を創造してしまった点にある。つまり、フランク・ハーバートはあたかも神の如く、天地を創造したのである。…で、『ナウシカ』は、その名作の世界観をそのまんまパクっちまったワケである。コレは、とてもハズカしい事だと俺は思っている。あ~、ちなみに、『ドラゴンボール』の最後の方の話は、明らかに『ターミネーター2』のパクリだったよな…。アレも、俺はとても日本人として恥ずかしい事だと思ったもんです。
●この映画、興行的にも大ゴケし、今なお、「世紀の駄作」として酷評の嵐にさらされ続けているが…個人的には、過去に見たSF映画の中では最も好きな作品である。悪評で最も多く見られるのは、「ストーリーがワケがわからない」というものだが、俺にはコレで充分わかるんだが…?むしろ、何がわからないのかがわからない。だから、個人的にはとても好きな作品だが、残念ながら、人には薦められないのである。
●この映画には、H.R.ギーガーとデヴィッド・リンチによって、原作にはない異常な脚色が施されている。それは、クライヴ・バーカーが『ミディアン』の中で描いてみせた世界観に近いもので、逆説的な異形の美の世界である。免疫のない人にとっては、一種、『ザ・セル』のように、狂人の脳の中を覗き見てしまったかのような嫌悪感しか与えないのかも知れない。が、この不気味で倒錯的な映像こそが、この作品に底知れぬ深みを与えているのも、まぎれもない事実なのである。常人の想像をはるかに超越したビジュアルだからこそ、デューンという異世界をリアルなものとして映像化し得たのではないだろうか?他の安っぽいSF映画の「どー見たって、地球じゃん!?」みたいな、ロケ地ばればれの映像とは、天と地ほどの差が生じた所以である。
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by inugami_kyousuke | 2001-01-01 00:00