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犬神狂介の【狂人日記】

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笑う大天使(ミカエル)

【15点】

川原泉原作、小田三世…じゃなかった、一生監督、野田恵…じゃなかった、上野樹里主演作品、でございますのよ~。
実はこの作品、個人的には、ものスゲー期待していたんだが…のでございますが…
残念ながら、思っていたほどは、楽しめませんでしたの~。
が、世間的には、かなり酷評されているが、ソコまでヒドい作品とも思えなかった。
テイストとしては、『CUTIE HONEY キューティーハニー』に近いモノを感じた。
大方の批判は、「CGがチャチい」「質感がない」とゆーもののよーだが、おそらく、ソレはあらかじめ計算の上だと思う。
それに、ハリウッド映画とは製作費が比較にならねーくらい違うし。
ハッキリ言って、『ロード・オブ・ザ・リング』みてーな映像を求める方がど~かしている。
『スクービー・ドゥ』みたいなCG犬=ダミアンは、せっかく出したのに、ほとんど活躍しないで、終わってしまったのは、非常に勿体なかったと思う。
てか、この作品自体が勿体なかった。
個々の部品にバラして見てみると…
みな、それなりに面白そうな話なのだ。
小ネタ満載だし。
麦チョコとチキンラーメンとか、
エサのいらん猫とか…
上野樹里のアクションを見られるのは、後にも先にも、この映画だけなんじゃねーだろ~か?
上野樹里を主演にしたのは正しかった。
この作品は、上野樹里に救われている。
おそらく、他の女優だったら、もっとダメダメな作品になってしまっていただろう。
小田一生という人は、非常に職人的な監督だと感じた。
『ザスーラ』のジョン・ファブロー監督を思い出した。
もっとも、両者の方向性はまるで逆だが。
今回…職人であるが故に、「木を見て森を見ず」的な作品となってしまったのはザンネンだった。
上野樹里が「自分の作品を観て泣いたのは初めて」と言うだけあって、ラストはキチンとオチがついているので、決してダメダメな作品ではない、と思う。
が、音楽的にも、ストーリー的にも、イマイチだった。
「今、一体、何が進行しているのか?」がわかりづらい脚本だった。
3人の能力も、いまひとつ…紹介不足とゆーか。
脚本は、やはり、プロにまかせるべきだ、と思う。
改変したラストの見せ場も、賛否両論だったよーだが、
個人的には、もっとブッ壊しても良かったと思う。
決められた枠の中だけで遊んでいるよーな、歯がゆさを感じた。
今回は前作『首吊り気球』のホラーから、コメディに路線変更したワケだが、コメディセンスが突出しているよーには思えなかった。
ひょっとすると、ホラーやアクションの方が向いているのかも知れない。
主題歌も、小田監督の同郷つながりでつじあやのを起用したらしいが…
もっと強い曲を選ぶべきだった。
実は…
公開前から、ずっと気になっていたのだが、この作品には、「キメのシーン」がない。
マンガの場合、1ページに1コマ…
少なくとも、見開き2ページに1コマは、「キメのシーン」を挿入するのがセオリーだ。
映画でも、「壁紙にしてとっておきたい」と思うよーな、一生、印象に残るよーなシーンが、少なくとも、1作に1カットくらいは欲しいモノだ。
個人的には、広川太一郎のナレーションは合わなかったと思う。
監督の個人的な思い入れは様々あったのだろうが、結果として、家内生産的な、小ぢんまりした印象の作品となってしまった。
興行的な足し算も、あまり成されていなかったように思う。
全体的に、メリハリのない、損な(結果につながりにくい)作り方を選んでしまったよーに思う。
真冬に撮影したため、当然、現場のハウステンボスは枯れ木ばっかりだったのに、実際、映画を観てみたら…
木には青々と葉っぱがついているし、花は咲き乱れ、虫まで飛んでいる!と、上野樹里が驚いていたが、
どーせなら、DVDの特典映像に収録時、CG処理後、の映像を入れて欲しかった。
ちなみに、妻の説では「ダミアン=ミカエル」だとゆーのだが…
そーなのかも知れないけど、わかりにく過ぎっス!
『サマータイムマシン・ブルース』みてーに、「神様」探しが出来るよーな遊びがあっても良かったと思う。
それにしても…
ダミアンは、なんで白目なんだろ~か?
1回でいいから、ダミアンがチョコ食うシーンが見たかった。
実は、今回…レビューを全編、お嬢様言葉で書いてみよう!と思ったのだが、3行で挫折した。
次回作に期待したい。
次は、美濃輪育久みてーなウルトラヘブンでお願いします。


ごきげんよう~

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by inugami_kyousuke | 2007-01-08 10:16