びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

ブラックジャック

●もちろん、手塚治虫は天才だ。
てゆーか、神様である。言わずと知れた、コミックという表現媒体を確立した人物である。いわば、コミック界の夏目漱石…否、ヒクソン、と言った方がわかり易いだろうか?
●でも、はっきり言って、俺は好きじゃねーんです。なにゆえ好きじゃねーかと言うと、作品があまりにもカンペキ過ぎるのである。つまり、優等生の作文みたいなモンなのだ。何点か?と問われれば、間違いなく100点なのだが…面白味はない。その作品は、一切のムダのない、高純度の結晶に似ている。だが、俺みたいなヒネクレ者にとっては、全く粗のない作品は、それ自体が粗なのである。カンペキな聖人君子よりも、多少クセのある人物の方が魅力的に見えるのと同じである。手塚作品に接すると、俺はいつもなぜか芥川龍之介を想い出す。俺の中では、この二者には、どこか通じるモノがあるのだろう…。
●従って、長編では鼻につくこーしたカンペキさが、逆に短編では絶大な武器となる。もともと、短編はムダを排除しなくては存在し得ない表現形式である。実際、短編集『ザ・クレーター』や『ライオンブックス』は擦りきれる程、繰り返し読んだ。短編こそが、この天
才の才能と英智がいかんなく発揮される様に思われる。そして、まさしく『ブラックジャック』は、その最高峰に位置する作品なのである。
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by inugami_kyousuke | 2005-05-12 21:02 | コミック