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犬神狂介の【狂人日記】

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野ブタ。をプロデュース

【82点】

木皿泉脚本、白岩玄原作、亀梨和也、山下智久、堀北真希主演作品。
野ブタ(堀北真希)の役作りが素晴らしい。
面白かった!
…てか、ヤラレた。
正直、こんな優しい作品にヤラレちまったのは、生まれて初めてだ。
トンガった作品にヤラレたコトなら、何度もあるが。
『セクシーボイス アンド ロボ』の7回が放送見送りとなり…
その判断自体は正しかったと思うものの、実質、6回から8回の放送まで、2週間も間が開くコトになり、
それに耐え切れず、かわりにこの作品を観るコトにした。
原作では、いじめられるのは男子で、小谷信太とゆー名前だったコトから、野ブタと呼ばれる設定になっていたよーだ。
いちおー内容は、いじめテーマの学園もの。
いじめられっ子の転校生=小谷信子(堀北真希)を、ひょんなコトからクラスの人気者の修二(亀梨和也)と変人の彰(山下智久)が人気者にするためのプロデュースするコトになる…とゆー表テーマと、もう1つの裏テーマが表裏一体で語られてゆく。
プロデュースを続ける内に、本当に問題をかかえていたのは、実は、誰よりも修二自身であったコトが、徐々に明らかになって来るのだ。
すなわち、モラトリアム…思春期におけるアイデンティティーの確立がこの作品の真のテーマである。
主人公=修二を取り巻く登場人物が野ブタ、彰から、キャサリン(夏木マリ)、ゴーヨク堂店主(忌野清志郎)に至るまで、超~個性的だ。
つまり、彼等は、いわば修二の「対極の存在」として描かれている。
彼等はみな、社会的には変人かも知れないが、確固とした「自分らしさ」を確立しているのだ。
周囲に流されるコトなく、「何が一番大切か?」を見抜く目を持っている。
決してまどわされるコトのない、独自の価値観を持っているのだ。
修二は学校の人気者で、一見、何もかも上手く行っているように見えるが、実際は、常に他人の目を気にして、本当の自分を隠して来た。
自分を殺して、他人に良く思われるために、人気者を演じて来たのだ。
彼の住む世界は、本当の自分ではないから…
本当の人間関係ではないから、当然、本当の彼が愛されるコトはないし、他人を演じている以上、彼自身も他人を愛せない。
よーするに、修二とゆー人間は、中身のない、カラッポの人間なのだ。
最初、修二が彰を「苦手なヤツ」と感じていたのは、彰には修二のまやかしが通用しなかったからだ。
修二の「人気者でいるためのテクニック」の一切を突破して、彰の目は、直接、修二という人間そのものをとらえていたのだ。
彰って、どっかで見たコトがある、と思っていたら…
『池袋ウエストゲートパーク』のシュンじゃねーか!
随分、太って、でっかくなってたんで、わからなかったぜぇ~。
キングとか、ラムちゃんとか、キテレツとか、ビートたけしとか…
色んな要素の詰まったキャラクターだった。
それにしても…彰は、スゲーいいヤツだ!
自分の気持ちをぬかみそに封印して、「オレは2番」と断言した彰は、めちゃめちゃカッコ良かった。
単なるゲームに過ぎなかった修二の人生が終わり、友情とゆーかけがえのないモノを手に入れ、フェイクではない、ホンモノの、リアルな人生が始まるまでの物語だ。
リアルな人生は、リアルに傷つくコトもある。
サイコーの日もあれば、サイテーの日もある。
プロデュースとは言うものの…最終的には、虚構の人気者=第2の修二を作り出すのではなく、素の野ブタの魅力をみんなに認めさせた点が素晴らしかった。
個人的には、サルの手のエピソード…「私は、バンドーのいる世界で生きていきます!」とゆートコと、
野ブタが不登校のカスミを説得に行くシーンが好きだった。
主題歌は、修二と彰「青春アミーゴ」。

野ブタパワー、注・入~!
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野ブタ。をプロデュース

by inugami_kyousuke | 2007-06-03 01:28 | テレビ