びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ

ロレンス・ダレル著、『アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ』を読んだ。
コレも、絶版になっていて、ずっと探していた作品だ。
妻「コレ…恋愛小説じゃん!しかも、不倫もの!!」
俺「し、知らなかったんだよ~。ホントに!」
新版が出てたんで、読んでみた。
まず、装丁を見て、ビックリした。
げっ!?
み、水色だぁぁぁ~~~!!
マジで、触りたくもねぇ~よーな色の本だ。
ハーレクインロマンスかよ!?みたいな!
コレは、この作品に相応しい装丁ではなかったよーに思うし、ましてや「恋愛小説」でも「不倫もの」でもない。
たしかに不倫は題材として描かれているが…
彼等の愛の軌跡を描いている、というよりも、
むしろ、不倫という形を取らざるを得なかった苦悩を描いている。
この『アレクサンドリア四重奏』という作品は、その名の通り、
1)ジュスティーヌ
2)バルタザール
3)マウントオリーブ
4)クレア
の4冊から成っている。
よーするに、この作品は、芥川龍之介の『藪の中』なのだ。
「真実は1つしかない」と、よく耳にするが…
現実は、決して、そんなに単純ではない。
いわば…
真実は多面体なのだ。
ソレは、見る者によって、あるいは見る角度によって、全く違って見える事もある。
「たった1つの真実」を、複数の登場人物の口から語らせるコトによって、全く別の物語となる。
芥川は、短編で、
ダレルは長編で、ソレをやったワケだ。
まだ1冊目しか読んでいないので、この先、どのように展開してゆくのか、見当もつかないが…
とりあえず、一人称=「ぼく」によって描かれた、この1冊目で、既にこの作品が描こうとする事件の概略は提示されているハズだ。
正直、前半は、「やっぱり、俺が読むよーな本ではなかったのかも知れない…」と思いつつ、我慢して読んだ。
が、後半に入ると、ガラリと一変した。
まるで、別人の文章のようだ。
ダラダラした人間関係の描写が影をひそめ、非常に詩的で美しい文章が続く。
そして、唐突に訪れる、衝撃のラスト。
この素材を、次に、どう展開するのか?
非常に興味深い。
出来るだけ早い内に、次巻を読みたいと思う。
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アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ

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by inugami_kyousuke | 2007-12-23 01:29 | 文学