びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

The Book jojo’s bizarre adventure 4th another day

コレは、乙一とゆー作家が、荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部の世界観を借りて、新たに創作したオリジナル小説だ。
よーするに、単なる「マンガのノベライゼーション」ではない。

結論から先に言おう。
俺は楽しめた。
単に「楽しめた」とゆー以上に、すんげェ~~~楽しい時を過ごさせてもらった。
が、小説として「面白かったか?」と訊かれると…
ソレは疑問だ。
ましてや、『ジョジョ』を一度も読んだコトのない人にとって、この作品にどれほどの価値があるか?となると…大いに疑問だ。
俺がこの作品を楽しめたのは、
1)『ジョジョの奇妙な冒険』こそが、おそらく、俺がこの世で一番好きなマンガである。
2)さらに、その『ジョジョ』の中でも、俺はとりわけ第4部をこよなく愛している。
3)『ジョジョ』自体の連載はまだ続いているものの…第4部は既に完結しており、もはや続きを読むコトは出来ないが、この作品は、サイドエピソードとゆーカタチで、再びその作品世界に浸らせてくれた。
とゆー理由からなのだ。
決して「ストーリーが面白かった」ワケではない。
確かに、「奇妙な話」ではあったが。

従って、この作品の是非を問うならば…
『ジョジョ』ファンにとっては是、
乙一ファンにとっても是、
『ジョジョ』ファンであり、かつ乙一ファンである者にとっては大いに是、
しかし、それ以外の人にとっては、おそらく、非(無価値)、以外の何者でもないだろう。

非常にマニアックな作品だ。
てか…
コレは、そもそも、フツーは同人誌とかで、一部のコアなファンがやる類いの行為なんじゃねーか?と思う。
俺自身は、そーゆうのを読んだ経験はねーけど。
コレは、今回、「敢えてプロがソレをやった」点に意義があった、と言える。
完成までに実に5年の歳月を費やし、破棄した原稿はナント2000枚以上だった…と聞いて、「コレは読まねば!」と思った。

「舞台となる架空都市=杜王町が、原作者=荒木飛呂彦の出身地である宮城県仙台市にある」とゆー設定を初めて知った。
「杜王町の七不思議」や第4部の登場人物が、ワキ役も含めて随所に散りばめられており、ソレだけでも充分、堪能出来た。
また、見せ場である「スタンドによるバトルシーン」も、非常に模倣するコトが困難と思われる「荒木飛呂彦ロジック」を、上手く文章によって再現出来ていたと思う。
装丁も凝っていて、非常に良かった。
まず、タイトルが、この作品の主人公=蓮見琢馬のスタンドである「The Book」となっており、
その「The Book」そのものを模した装丁となっているため、
今、本を読んでいる自分の手の中にスタンドが存在する=自分もスタンド使いになったよーな錯覚に陥る…よーに計算されているのだ。
乙一という人は、プロなのだから、自分の作品としても成立させねばならず、
尚かつ『ジョジョ』の世界観を損なってもいけない…とゆーハードルは、非常に高かったと思う。
コレだけの仕事量、作業量を成し遂げた、とゆー意味だけでも、充分に賞賛に値する、と思う。
少なくとも、俺は、幸せな一時を過ごす事が出来て、充分に満足だった。

今回、俺は、乙一とゆー作家の作品を初めて読んだが…
最後まで、独特の文体には馴染めなかった。
ハッキリ言って、今後、俺がこの作家の他の作品を読むコトはないだろう。

つーワケで…
作品的には、満足だったが、以下、気になった点を挙げておく。
・基本的にサイドストーリーであり、あくまでも主役はオリジナルキャラクターの蓮見琢馬であって、仗助、億泰、康一くん、岸辺露伴はワキ役だ。てか、ほとんど出て来ない。
・康一くんは戦闘に参加しない。
・「オラオラオラ」とか「ドラドラドラ」とか「ゴゴゴゴゴ…」とか「ドジュウウ~」とかの、荒木節が一切ない。小説でやったら、かなりバカっぽいとは思うが。
・復讐譚だが、爽快感はない。どちらかとゆーと、不快感に近いかも…?
・ラストがどーもスッキリしねぇ~!双葉千帆は、実は「母の家に引き取られた」んじゃなく…蓮見琢馬の母=飛来明里が最期まで持っていた1枚のポストカードの中で暮らしてるんだよな~?そして、ソレが彼女のスタンド能力なんだよな~?じゃねーと、あんまり面白くねーんですけど。つーか、なぜソレをあんな風にボカして描くのか?が、俺には理解出来ねー。てか、勿体ねぇ~。
・荒木飛呂彦ののイラストはウレシかったけど、正直、「飛び出す絵本」じゃなくても良かったと思うが。
近い内に、もー1度…久しぶりに『ジョジョ』を読み返してみよーかな?と思った。
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by inugami_kyousuke | 2008-03-15 21:39 | 文学