びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

埴谷雄高全集 第三巻

『埴谷雄高全集 第三巻 死靈』を読んだ。
つーか、本文は読んでねーんだけど。
巻末に収録されている問題の「未定稿」のみを読んだのだ。

『死霊』を読み終えるにあたって、どーしても、俺はこの文章は読んでおく必要があったのだ。
もちろんコレは、飽くまでも「未定稿」であって、「作品」ではない。
が、実にこの文章こそが、「完結か?未完か?」とゆー論争を呼んだ、発端なのだから。

九章を発表後、病床に臥していた埴谷雄高が、ある日、編集者を呼んで、「はい、コレ」と手渡したのが、この短い…原稿用紙数枚の「未定稿」だった。
そして、その文章の終わりには、なんと!「《死霊》了」と書いてあったのだ!!
その時、埴谷は、「生命の危機を感じたので、思い切って終わらせちゃったよー」と言ったらしい。
物語は、明らかに完結していない。
それを、わずか数枚の文章で片付けてしまった。
結局、編集者と親族と埴谷本人との間で話し合いが行なわれ、この原稿は作品として発表されず、「未定稿」として処理されるコトとなった。

「未定稿」は、哀しいほどに短かった。
そして、この上なく、い~かげんな内容だった。
三輪与志と津田安寿子が、仲良く手をつないで、去ってゆく。
「アハハハ~、ウフフフ~、愛って素晴らしい~」めでたしめでたし!…みたいな!!
いやいやいや…いくら何でも、コレはないっしょ~?
だって、当初の構想では、この2人は、この後、心中する予定だったんだろ!?
ソレが、なんで「アハハハ~、ウフフフ~」になっちゃうんスかねぇ~?
やっぱ、埴谷雄高は心神耗弱状態にあったとしか考えられねー。

それにしても…
この作品のラストで描かれるハズだった釈迦と大雄のエピソードは、本当に魅力的だ。
是非とも読んでみたかった。
ザンネンだ。


なんと!
この本…『死霊』がこの全一巻に収められているじゃねーか!!
どーでもイイけど、コレ…
895ページもあって、めっっっっっちゃめちゃ!重たいんですけど~!?
「現代用語の基礎知識」っつーか、「広辞苑」っつーか、「電話帳」っつーか…
もう、本としてあり得ねー重さ・分厚さだろ、コレ?
何つー無謀なコトをしやがるんだ~?
「全集」とはいえ…
もともとは3巻本なのに、一体、なぜ1巻本にしよーと思ったのか?理解に苦しむ。
冗談じゃなく、殺人的な本だ。
てか、コレはもー凶器だ。
まるで、初期の「FF」に出て来た魔法使いの本みてーだ。
でっかくて、ガンガン殴るヤツ!
「本で殴る」とゆーのは、衝撃だったよなー。

文庫版で最後まで読んだのに、この本を見ると、まるで違う作品に見える。
この本は、旧字なのだ。
文庫版は、普及版とゆー概念で、全編、新字に改稿してあったよーだ。
「失敗した。全集か、もしくは単行本で読むべきだった」と思った。
文庫版でさえ、かなり通読するのに疲れたので、当分、そんな気にはなれねーと思うけど…
《死霊》了
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by inugami_kyousuke | 2008-09-23 09:26 | 文学