びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

ビロードのうさぎ

マージェリィ・W・ビアンコ原作、
酒井駒子絵・抄訳、
絵本『ビロードのうさぎ』を読んだ。

一言で言うと、素晴らしい。
この作品のコンセプトは、『ベルベットうさぎのなみだ』のそれに等しい。
すなわち…
「名作絵本の『ビロードうさぎ』を、より年少の子供向けに、わかりやすく、かつコンパクトにリライトする」とゆー意味において、この作品は、ほぼカンペキにその目的を果たしている。
少なくとも、俺はそう思う。

全ては、酒井駒子とゆー人の力量による。
絵が、イマジネーションが、素晴らしい。
文も悪くない。
『ベルベットうさぎのなみだ』のよーな、勝手な蛇足の一文もない。

色彩も豊かだし、闇に浮き出たよーな、スポットライトが当たったよーな画風も効果的だ。
絵柄は、非常にいわさきちひろに似ている。
ビロードうさぎも、ウマも、ぼうやも、イメージを損ねない。
妖精も悪くないけど…
ちょっと、ハイクラウンチョコのカードみたいかも?
あと…
ラストシーンの跳ねるウサギの背景の月が、あまりにも「真円の月」で、異常にデカ過ぎるのが気になった。
なんか、「十五夜お月さま」みたいなカンジで、別のイメージを喚起してしまう。
この作品の中では、コレは雑音…すなわち余計な要素だろう。

良い絵本だ。
が、それでも…
たしかに「小さい子供向けに、わかりやすく、コンパクトに」なってはいるものの…
一個の作品としては、名作『ビロードうさぎ』には、遠く及ばない。
チャンドラーの言ったコトは正しい。
手に入るのならば、やはりオリジナルを読んだ方が良い。
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by inugami_kyousuke | 2008-09-06 09:49 | 文学