びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

赤い蝋燭と人魚

小川未明 文、
酒井駒子 絵、
絵本『赤い蝋燭と人魚』を読んだ。

いいな~、コレ!
素晴らしい!!

小川未明版の人魚姫みたいな短編なんだけど…
童話とゆーには、かなりダークな作品だ。
でも、このダークなテイストが、酒井駒子の絵柄とバッチリ合っていて、もーサイコーだ~!
米倉斉加年の『人魚物語』に、勝るとも劣らねー。
非常に暗い物語なので、子供向けかど~か?は、俺にはよくわかんねーけど。

この作品を見る限り…
明らかに、酒井駒子とゆー人は、ムンクやいわさきちひろの影響を、少なからず受けているよーに思う。
更に、個人的には、司修もビミョ~に感じるんだが。
特に、表紙の絵は、ムンクの「思春期」の構図そのまんまだし、ちょっと「病める子」も入ってるかも知れねー。
もっと言うと…
赤い枠は、おそらく「マドンナ」だろう。
エドヴァルト・ムンクとゆー人は、油彩も描いたが、多くの版画作品等も残しており、
全く同じタイトル、構図、の異なる作品が多数存在する。
実は、この「マドンナ」もその1つで、赤い枠を施した版が存在する。
ちなみに、この赤い枠には、胎児と精子が描かれている。
つまり、この1枚の絵には、ムンクの「思春期」と「病める子」と「マドンナ」が入っている、とゆーコトになる。

画力もさることながら、酒井駒子とゆー作家は、そのセンスが素晴らしい。
マージェリィ・W・ビアンコの『ビロードのうさぎ』と良い、
この小川未明の『赤い蝋燭と人魚』と良い…。
日本の童話作家と言えば、イコール宮沢賢治、みたいなカンジだが…
あえて小川未明を選ぶトコがいいよなー。

闇に、ボンヤリと浮かんだよーな画風もいいカンジだし、
タイトルが、物語の始まった後で入るのも、まるで映画みたいでイイ。
『レディ・イン・ザ・ウォーター』の、56億7千万倍くらいはイイぜっ。
このまんま、ザック・スナイダー監督に映画化してもらいてぇ~くらいだ。
イメージ的には、『ジョゼと虎と魚たち』で、ジョゼがいた海の底を想い出す。
リュウグウノツカイも出て来るし。

酒井駒子のつむぎ出すイメージは、
美しく、恐ろしく、暗く、寂しい世界だ。
月の光に映し出された幻のよーな…
一種、甘美な悪夢にも似た世界。

ポオとかブラッドベリとか、フィニィとか、マルケスとか、萩原朔太郎とかの短編をテーマにして、絵本を描いてくんねーかなぁ~?
売れるかどーか?は知らねーけど。
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by inugami_kyousuke | 2008-09-14 13:14 | 文学