びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

女妖記

西條八十著『女妖記』を読んだ。

正直、あまり面白くなかった。
つーか、考えてた内容とあまりにも違う本だったんで。

俺は、『女妖記』とゆータイトルから…
フウケーの『水妖記』や星野之宣の『妖女伝説』みたいなモノを期待してたんだが、そもそもソレが間違いだったよーだ。
タイトルだけじゃねー。
表紙の山本タカトって人のイラストが、「おまえに接吻するよ、ヨカナーン」とゆータイトルなのだ。
コレは、誰がどー見たって、『サロメ』だろ?
『サロメ』って言えば、もちろん、オスカー・ワイルドだし、
ワイルドって言えば、とーぜん、オーブリー・ビアズリーだぜぇ~。
この、山本タカトって人は…
佐伯俊男と、ビアズリーと、一時期の山口はるみを足して割ったみたいな画風のイラストレーターだ。
悪くねぇ~ぜ~。
純・和風『サロメ』も。
そーいえば、たしか、日夏耿之介も『サロメ』を翻訳してたよな~?
…とか思いながら、つい手に取ってしまったのだ。
この本を。
「ふうーん、詩人として高名な西條八十の書いたホラーかぁ~。読んでみっかー?」みたいな。

ところが!
コレは、ホラーでもファンタジーでもねぇ~!!
いわゆる艶話(つやばなし)の類い、っつーか…
よーするに、コレは、西條八十の女遍歴のリアルな自慢話じゃねーかよ!
「ボクが寝た無数の女たちの中には、こんなコがいた。あんなコもいた…」とゆー話。
ある日、突然、「私はあなたの娘です」と言う女が現われたり、
狂信的なファンの女性に毒殺されそーになったり、
死を宣告された女性と一夜を共にしたり、
盗癖、虚言癖、浮気症と三拍子そろったとんでもねー芸者を身請けしちまったり、
朝鮮やフランスの女性とつき合ったり、
昔の女が精神病をわずらって、街を徘徊したり、
芸者のヒモと対決したり…
そりゃもー大活躍だ。
ハイハイ、スゴいですねー。
でも、俺が読みたかったのは、こんな下世話な話じゃねーのだ。
ハッキリ言って、みんな、どっかで聞いたよーな話ばっかだし。
もともと酔払って喋ってた話を、「面白いから、いっそ本にしたらどーか?」と言われて、1冊にまとめたのがこの本らしい。
ちなみに、ココで言う「女妖」とゆーのは、妖怪とか妖精のたぐいではなく、「変わった女」「フツーじゃない女」とゆーほどの意味のよーだ。

西條八十と言えば…
「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」とゆー詩を、
角川春樹が「Mama, Do you remember ,the old straw hat you gave to me?」と訳して有名になったが、
この本を読んで、随分、作詞家としても活躍した人だった、とゆーコトを初めて知った。
でも、個人的には、西條八十と言えば、やっぱ、『かなりあ』なんだけどな~。

【結論】やっぱ、「詩人の法則」は正しかった!
詩人は、詩を読むのがいちばんなのだ。
※ブコウスキー以外は。
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by inugami_kyousuke | 2009-04-26 01:02 | 文学