びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

カテゴリ:文学( 199 )

伝奇集

ホルヘ・ルイス・ボルヘス(本名=ホルヘ・フランシスコ・イシドロ・ルイス・ボルヘス・アセベード)の『伝奇集』を読んだ。
まぁ…
つまらなくはねーけど、小難しいっつーか、堅苦しいっつーか…
何つーか…理屈っぽいんだよ!!
もーちょっと、楽しく書けねーのかな~?
「小説」とゆーよりも、「論理遊び」に近い。
せっかく、アイディア自体は面白くても、ココまで来ると、うっとーしく感じてしまう。
勿体ねぇ~。
ま、こーゆう「芸風」なんだろーけど。
『バベルの図書館』は、結構、楽しめた。
またその内、他の作品も読んでみたい。
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by inugami_kyousuke | 2008-01-21 23:44 | 文学
ロレンス・ダレル著、『アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ』を読んだ。
コレも、絶版になっていて、ずっと探していた作品だ。
妻「コレ…恋愛小説じゃん!しかも、不倫もの!!」
俺「し、知らなかったんだよ~。ホントに!」
新版が出てたんで、読んでみた。
まず、装丁を見て、ビックリした。
げっ!?
み、水色だぁぁぁ~~~!!
マジで、触りたくもねぇ~よーな色の本だ。
ハーレクインロマンスかよ!?みたいな!
コレは、この作品に相応しい装丁ではなかったよーに思うし、ましてや「恋愛小説」でも「不倫もの」でもない。
たしかに不倫は題材として描かれているが…
彼等の愛の軌跡を描いている、というよりも、
むしろ、不倫という形を取らざるを得なかった苦悩を描いている。
この『アレクサンドリア四重奏』という作品は、その名の通り、
1)ジュスティーヌ
2)バルタザール
3)マウントオリーブ
4)クレア
の4冊から成っている。
よーするに、この作品は、芥川龍之介の『藪の中』なのだ。
「真実は1つしかない」と、よく耳にするが…
現実は、決して、そんなに単純ではない。
いわば…
真実は多面体なのだ。
ソレは、見る者によって、あるいは見る角度によって、全く違って見える事もある。
「たった1つの真実」を、複数の登場人物の口から語らせるコトによって、全く別の物語となる。
芥川は、短編で、
ダレルは長編で、ソレをやったワケだ。
まだ1冊目しか読んでいないので、この先、どのように展開してゆくのか、見当もつかないが…
とりあえず、一人称=「ぼく」によって描かれた、この1冊目で、既にこの作品が描こうとする事件の概略は提示されているハズだ。
正直、前半は、「やっぱり、俺が読むよーな本ではなかったのかも知れない…」と思いつつ、我慢して読んだ。
が、後半に入ると、ガラリと一変した。
まるで、別人の文章のようだ。
ダラダラした人間関係の描写が影をひそめ、非常に詩的で美しい文章が続く。
そして、唐突に訪れる、衝撃のラスト。
この素材を、次に、どう展開するのか?
非常に興味深い。
出来るだけ早い内に、次巻を読みたいと思う。
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アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ

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by inugami_kyousuke | 2007-12-23 01:29 | 文学

少年十字軍(王国社)

マルセル・シュウォッブ著、『少年十字軍』を読んだ。
コレも、ずっと探していた作品だ。
ホントは、全集を探してたんだが…
この本は、数冊の作品集から主要作品を編んだ、日本オリジナル短編集のよーだ。
まず、あまりにも文字がデカくてびっくりした。
ホント、絵本並みにデカい。
もっと、フツーの小説かと思ってたんだが…
散文詩のよーな作品だった。
ジュール・シュペルヴィエルを想い出したけど、全く違う。
非常に詩的なんだけど、かつ、極めて理知的な文章だ。
そして、美しい。
欲を言えば、もっと訳が天才的だったら、より感動出来たと思う。
わけても「大地炎上」のイメージが素晴らしかった。
歴史的な描写や伝染病の話が多いところは、あまり好みではないが。
やっぱ、個人的には、シュペルヴィエルやガルシア・マルケスの方が好きだな~。
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by inugami_kyousuke | 2007-12-02 22:48 | 文学

西瓜糖の日々

リチャード・ブローティガン著、『西瓜糖の日々』を読んだ。
アイデス(iDEATH)とゆー異世界の物語。
「この世界」とは、似て非なるもう1つの世界。
「あの世」とも、「天国」とも、あるいは「煉獄」とさえ思える、昏く奇妙な世界…
そこには、静謐で、物哀しい時間がゆっくりと流れている。
主人公には、名前すらない。
彼らは、たしかに生きているのだが…
まるで死者のようだ。
そして、全てが西瓜糖で出来ている。
「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家のように、この世界は、何もかもが西瓜糖で出来ているのだ。
「死のような生」を生きる人々の物語。
儚く、幽かに甘い諦念に包まれた物語だ。
『心地よく秘密めいたところ』を想い出したが、どちらかと言えば、この作品の方が、個人的には好みだった。
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by inugami_kyousuke | 2007-11-30 22:37 | 文学

スラン

アルフレッド・エルトン・ヴァン・ヴォークト著『スラン』を読んだ。
超能力SFの古典だ。
これも、ワイドスクリーン・バロックらしーので、読んでみた。
どっかで読んだよーな、やや古臭い話だが…
おそらく、この作品の影響下にある作品がゴマンとあるのだろう。
コレも、突飛な話と言えば突飛な話だが、ベイリーのよーなめまぐるしさはなく、ごくフツーのSFと思えた。
個人的には、ベイリーの方が好みだ。
ラストシーンが、まるで映画のよーに美しく、鮮烈な余韻を残す。
『大いなる遺産』のよーだった。
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by inugami_kyousuke | 2007-11-28 22:19 | 文学

カエアンの聖衣

バリントン・J・ベイリー著。
やっと読むコトが出来た!
ずっとコレが読みたくて、探していたんだが…
楽しく読んだ。
「服は人なり」とゆー特異な哲学を持つカエアン文明をめぐる壮大なホラ話。
いわば、ハリー・クレッシングの『料理人』の服版みてーな話だ。
自己表現の一手段であるはずの服が、逆に、人を支配し始める…とゆー話。
ワイドスクリーン・バロックとゆー形式らしい。
面白い。
次から次へとめまぐるしく展開してゆくイメージの洪水が、何とも刺激的で心地良い。
この作品が好き、とゆーよりは、ワイドスクリーン・バロックとゆー形式そのものが面白い。
非常に視覚的な作品だとは思うが、それだけに、映像化するコトはかえって難しいかも知れない、と感じた。
安易に作ってしまうと、とてもチープなモノになってしまうからだ。
この作品を映像化するのならば、読者のイメージをはるかに凌駕するカタチでなければ、意味がないのだ。
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by inugami_kyousuke | 2007-11-09 23:48 | 文学

今でもキミを。

後輩「そーいえば、こないだの本…」
俺「ん?あの本がどーした?」
後輩「実は、続編があるんですっ!!」
俺「あ…ああ。あるらしーね。ソレが何か?」
後輩「なぜか、今、持ってるんですよね~!!ジャーン!!読みます~?」
…ジャーン!!じゃねーよ。
フザケんな!
俺が、どんだけ苦労して、あの本を読んだと思ってやがる!?
結局、断わるワケにもいかず、また借りるハメになっちまった。
あ、悪夢の再来だ…!
また、電車の中で読んだ。
ガルルル~…!!
てめーら、俺を見るなぁ~!!
こんなピンクの本を読んでる俺を見るんじゃねぇ~!!
ものスゲー目つきが悪くなりながら、なんとか読了した。
コイツはよー、この主人公のヤツは、ウジウジぐちぐち、うっせェ~んだよ!
ぐあああ~、ムカつくぜ~!
スティッチみてーに、本を破って、火を点けたい衝動に駆られた。
一言で言うと、蛇足だ!
この作品は蛇足以外の何者でもねぇ~。
前作のヒロインの死を克服し、主人公が新たに自分自身の人生を生きてゆく…とゆー話だが、こんなモン、果たして、わざわざ本で読む必要があるのか?
コレは、ごくフツーに、日常、そこらじゅうで起こっているコトだし。
それに、んなコト、わざわざ続編として読まされねーでも、読者が自分のアタマの中でやるべき作業じゃねーか。
何もかも描けばイイってモンじゃねぇ~。
小説でもコミックでも映画でも…
媒体が何であれ、およそフィクションとゆーモノは、疑似体験であり、作中で提起された問題を自分自身の問題として考え、思索するコトが出来る。
日常生活ではなかなか体験出来ないよーな体験を疑似体験し、思索の幅を広げるコトが出来るのだ。
所詮、エンターテイメントなのだから、どう楽しもーと、個人の勝手だが、ただ楽しいとか、気持ちイイとか、それだけだったら、動物と何ら変わらねー。
思考するから、人間なのだ。
楽しいなら楽しいで良い。
ならば、何が、どのように、なぜ楽しいのか?
何でも良い。
何かしら考えるのが人間とゆーモノだ。
世のラブストーリーの多くは、恋人が死んで終わる。
その先は描かない。
それは、描く必要がないからだ。
なぜなら、残された方の恋人は、読者自身の分身だから。
その後を考えるのは、読者の作業だ。
この作品は、それを奪ってしまっている。
本来、読者がやるべきコトを、最初からカタチにして、ポン!と与えてしまっている。
それも、もっともありふれた、つまらないカタチで。
また…基本的に、俺は他人の不幸を知らされるのがキライだ。
ニュースすら、極力、見ない。
辛いコトは、自分の人生だけで充分だ。
わざわざ他人の不幸まで知りたくねー。
知ったところで、何が出来るワケでもねーんだし…。
コイツ…
語彙が哀しいくらい貧困だ!
貧弱貧弱貧弱ゥゥゥ~~~!!
相変わらず、中学生みてーな文章だし。
最後にもー1コ…
自分の娘に、死んだ元カノの名前をつけてんじゃねぇぞ、コラ~~~!!
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by inugami_kyousuke | 2007-08-28 22:13 | 文学

もしもキミが。

べっ、別に…
読みたくて読んだワケじゃねぇ~。
会社の後輩が無理矢理貸してくれたんで…
仕方なく読んだ。
なんでも、スゲー感動して、泣いちゃったらしい。
手渡された瞬間…
目を疑った。
何だコレ!?
見た目からして、「オンナの読む本」じゃん!
コレを本屋で買ったのか!?
よく恥ずかしくねーなぁ~?
オカマかよ!?
そもそも、なぜ突然、こんなモン読もーと思ったのか…
俺の理解を絶する。
本なんか、ぜってぇ~一生、読まねータイプなのに。
てか、おそらく読んでも理解出来ねーハズだ。
しょーがねー、読んでやるか…
「~~~~~~~っ!!」
なっ、なんじゃコリャ~!?
全編、ヨコ書き!
しかも、青いインク!
しかもスカスカ!
何コレ?マンガのネームか?みたいな!
うぎゃあああ~!!
やめろォォォ~~~!
読まずに返してェ~!
と、ホンキで思った。
どーせ、ヤツが自分で「本を読もう!」なんて思うハズはねーから…
オンナ友達に薦められたか、もしくは雑誌で紹介されてたんだろう。
てコトは、おそらく「売れてる」ってコトなんだろう。
んじゃ、ガマンして、読んでみるか…。
が、ど~しても家で読む気にはなれねぇーんで、電車で読むコトにした。
スゲー恥ずかしかった!
恥ずかし気もなくコレを買い、
人前で読み、
更に他人に薦めるアイツは、男として異常だ!と改めて確信した。
そーいえば、職場でも、しょっちゅう俺にひっついて来ては、何か面白い映画はねーか?とか、面白いドラマはねーか?とか訊いてたっけ…。
しかも、何を薦めても、結局、ヤツは恋愛ものしか見たコトがね~し!
以前、ヤツ自身の勉強のために、新人の教育をやらせたコトがある。
たった1日で、新人が泣きついて来た。
「あの人!オンナの話しかしないんですよォ~!どっかオカシイんじゃないですか!?もう耐え
られません。何とかして下さいよ~」
やっぱ、ヘンだったのか…。
車内の視線と戦いながらも、何とか読んだ。
非常に強い意思を必要とした。
どーも、ケータイで書かれた作品らしく…
しかも、コドモが書いたよーで…
主語がヘンだったり、構成が稚拙だったり…
ひょっとして、校正してねーのか、コレ!?ってカンジだ。
あいのりの日記を延々と読まされてるよーな…。
ヒネリも何もなく、ただ、ひたすらありがちな話が続くだけだ。
死を描いているが、上っ面を撫でたよーな話でしかない。
人生を知らないコドモが、映画や本で得た部品をソレらしくコラージュして作り上げたよーな作品だ。
唯一、この作品に見るべきモノがあるとしたら…
活字離れした中高生が本を手にするキッカケになれば…とも思うが、
ハッキリ言って、コレだったら、コミックの方がはるかに緻密だろ!
あいのりの日記だって、もっと計算され尽くしている。
ましてや、コレは「小説」なんて呼べたシロモノじゃねぇ~!
1年後には、間違いなく、読んだコトすら忘れちまってるハズだ。
って…アレ?
このタイトルでいいんだっけ!?
いつかキミが?
もしもボクが?
さ、作者は…
リンだっけ?
ランだっけ?
…まっ、何でもいっか~!
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by inugami_kyousuke | 2007-08-11 01:56 | 文学

十二国記

●いわゆるジュヴナイル…青少年向け小説として書き始められた、正しくは作品群のシリーズ名だが、評価が高いので、一気に既刊7作=11冊を読んでみた。
●世間では、子供が危ないとか、教育がどうとか言われているが…こういう作品を子供たちが読んでいるのなら、日本はまだ大丈夫だ、と思った。
●んで、感想は…面白い!
俺の中では、古くは『ウルフガイ』、そして『キマイラ』…その次の世代に位置する作品となった。
●この作品は、テーマが非常に明確に描かれており、登場人物の苦悩=問題提起としてストレートに読む者に訴えて来る。
国家とは何か?世の中とは何か?人はどう生きてゆくべきか?自分らしく生きるとは、どういう事か?正義とは?何が正しく、何が間違っているのか?生とは?死とは?愛とは、何なのか?
こういった命題に、真っ向から取り組んだ作品を、少なくとも俺は『カムイ伝』以来、絶えて知らない…
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by inugami_kyousuke | 2003-05-08 21:20 | 文学