びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

カテゴリ:文学( 199 )

マルグリット・ユルスナールの『火 散文詩風短篇集』を読んだ。
たった2葉だが、野中ユリの挿画が良かった。
ちなみに、本名はマルグリット・ド・クレイヤンクールで…
ユルスナール(Yourcenar)は、クレイヤンクール(Crayencour)のアナグラムとなっているらしい。


この作品は、

この本が決して読まれぬことを望む。

とゆー一文で始まる。
おお~っ、カッコいい書き出しだなー、と思って期待して読んだんだが…
どーも、この作品は、いわゆる文学作品とゆーよりも、個人的な文章に近いらしく、

パイドラーあるいは絶望
アキレウスあるいは嘘偽
パトロクロスあるいは運命
アンティゴネーあるいは選択
レナあるいは秘密
マグダラのマリアあるいは救い
パイドーンあるいは眩暈
クリュタイムネーストラーあるいは罪
サッポーあるいは自殺

とゆー風に、歴史上の人物や神話の登場人物を採り上げているんだが…
ここで語られる物語は、全く違う物語なのだ。
登場人物の名前こそ同じだが、内容は全く別の話だ。
リ・イマジネーションとゆーか…
つまり、ここで行なわれているのは、
様々な登場人物とそのシチュエーションを借りて、作者自身の意見とゆーか、心情を綴っているワケだ。
よ~するに、極端な話、物語なんて、ど~でもイイってコトだ。
コレはある意味、非常に個人的な日記にも似ている。
だからこそ、「読まれぬことを望む」で始まっていたのだ。
まるで、文学少女の解りにくい日記を盗み読みしてるよーなカンジだったぜ~。
作者の同性愛志向も、俺にはよくわかんなかったしなー…

いないとき、あなたの姿は拡がって、宇宙を満たすほどになる。亡霊のような、流動性のものになる。いるとき、あなたの姿は凝縮し、あなたは最も重い金属、イリディウムや水銀のような重みを持つにいたる。その重みが心臓の上におちかかるとき、私は死ぬ。
d0012442_13485963.jpg
火 散文詩風短篇集

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-02-20 09:09 | 文学

橋の上の人たち

ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩集『橋の上の人たち』を読んだ。
シンボルスカはポーランドの詩人で、ノーベル文学賞を受賞している。
国民的詩人らしい。

が…
何なんスかね~、この訳は?
い~のか、コレで?

どうなの、哀れな人間さん
わたしの分野じゃ進歩があったわよ


とか…

あらだめ、誤解しないで
字を書いたこんな変な紙、そっちに引っ込めて。


とか…
何だよ?このアリャリャな翻訳はよ~?
何か…女をバカにしてねーか?
コレって、詩だよな?
なにゆえ、こんな口語体で訳すかな~?
しかも、メチャメチャ不自然だし!!
ハッキリ言って…口語としても詩としてもヘンだと思う。
おそらく、翻訳自体は正しいんだろーけど、
こんなバカっぽくされちまって、作者が可哀想だ。
ザンネンながら、ここまでされちまうと…
原文の内容を全く想像出来ねぇ~。
d0012442_1433968.jpg
橋の上の人たち

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-02-20 08:35 | 文学

つみきのいえ

加藤久仁生絵
平田研也文
の絵本『つみきのいえ』を読んだ。

第81回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞したアニメを絵本化した作品らしいが…
単に絵本として見ると、平板で、面白味に欠ける。
ありがちとゆーか、
特に新鮮さを感じね~し、魅力もね~し。
何つーか…絵コンテを見せられているよーなカンジだ。
ひょっとしたら、アニメの方はもっと良かったのかも知れねーが。
やっぱ、せっかく絵本にするのなら、ただそのまんまじゃなく、
もっと絵本でしか出来ねぇ遊びとゆーか、
工夫とゆーか、仕掛けを考えるべきだったと思う。
d0012442_1552953.jpg
つみきのいえ

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-02-20 08:16 | 文学
天野喜孝原作
『知りたがりやの芽キャベツ やさいのようせいN.Y.SALAD』を読んだ。

こっ、これも、天野喜孝は原作で、
あくまでもアニメの絵本だった!
子供向け…とゆーより、幼児向けってカンジだ。

特にストーリーもなく、何もない。
やればできるんだ!
ってアンタ…
飛べるの忘れてた、ってアンタ…
~~~~~~~~~~!!
ま、いーけどね。
しかし、この本のキャラクターたちは、「妖精」とはゆうものの、つまるところ全員、「野菜」だ。
つまり、全員合わせて、「サラダ」の材料なワケだ。
てコトは、とーぜん…
コイツらは全員まとめて、人間に食べられちゃうワケだよな~?
コレって、肉に置き換えてみると、よーするに…
『知りたがりやのサカナ サカナのようせい魚肉ソーセージ』とか!
『知りたがりやのニワトリ 鶏肉のようせい激辛フライドチキン』とか!!
『知りたがりやのウシ 最高級松阪牛のようせいしゃぶしゃぶ食べ放題2,900円』とか~!?
食肉を擬人化するってのは、ちょっと悪趣味っつーか、ブラックっつーか…
最終回は、料理に加工されて、美味しく食べられて「めでたし、めでたし」なのか~?
い~のか、ソレで!?

d0012442_17454913.jpg
知りたがりやの芽キャベツ やさいのようせいN.Y.SALAD

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-01-31 12:50 | 文学

ラギッド・ガール

飛浩隆の『ラギッド・ガール 廃園の天使Ⅱ』を読んだ。
第6回センス・オブ・ジェンダー賞受賞作品らしい。
俺には、一体、この作品のどこらへんがジェンダーなのか?全くわかんなかったけど。

「夏の硝視体」
「ラギッド・ガール」
「クローゼット」
「魔述師」
「蜘蛛の王」
の5編を収録した短編集だ。

この作品は、随所で「廃園の天使3部作の2作目」と称されているが、
「3つの長編といくつかの中短編で構成される」とゆー著者の言葉が正しければ、
「長編3部作の2作目」ではない。
このカウントのし方だと、いずれ「3部作の4作目」「3部作の5作目」…となっちまうと思うんだが?
ま、どーでもイイけど。

ちなみに、次回作は『空の園丁』とゆー長編となるらしい。
細部の設定とか、物語の枠組みとか…
非常に作り込んであって、スゲーとは思うんだが、
そもそもこのテーマを、こんなに延々と書き続ける意義があるんだろーか?
ヒジョ~に疑問だ。
長編1冊で、充分描き尽くせる内容だと思うんだが?
つーか、ひょっとしたら、短編でも充分かも?
何だか、ジュヴナイルとか、アニメ感覚に近い作品群だ。

一つのテーマを敷衍するのが上手い作家だ、とゆーコトはわかったが、
もーこのシリーズはイイや~。
全くキョーミね~ですー。
悪趣味っつーか…意味のねーエログロにはもーうんざりってカンジだ。
<非の鳥>はどちらだろうか。
d0012442_1312452.jpg
ラギッド・ガール 廃園の天使〈2〉

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-01-09 18:14 | 文学

ファンファンとふね

ピエール=プロブスト絵・文
の絵本『ファンファンとふね』を読んだ。

ノアの方舟みてーな話。
名作絵本らしいが…
かなりのトンデモ絵本だ。

まず、たまたま通りかかったファンファンが、
「木の枝に首がひっかかっていたアヒルを助けた」とゆーところで爆笑させられる。
いや…
ないだろ~?フツー?
「アヒルの首が木の枝にひっかかっていた」なんて話、『アンビリーバボー』でも聞いたコトねぇ~し!
さらに!この作品の中では、
犬猫アヒルが直立歩行し、道具を使うのだ!!
傘をさしたり!
オールをこいだり!
歯をみがいたり!
しかも、コイツらの前足が、動物のソレではなく、
人間の掌みてーに描かれているのだ!!
この絵は、マジで衝撃的だ。
ヘビに足が生えてるくらい、キモチ悪い。
コレじゃ、ど~見ても妖怪だろ!!
ブ、ブキミ過ぎるぞっ、この絵本~!!
てか、こんなの、教育上、良くねーんじゃね~のか!?と、心配になって来る。
それとも、俺が無粋なだけなんだろーか…?
d0012442_2112183.jpg

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-01-04 22:05 | 文学

グラン・ヴァカンス

飛浩隆著『廃園の天使 1 グラン・ヴァカンス』を読んだ。

3部作の1作目らしーけど…
作者曰く「おそらく三つの長編といくつかの中短編で構成されることになるような気が、なんとなくしないでもない(笑)」とゆーコトなので、最終的に何冊になるか?は、現時点では不明だ。
つまり、便宜的に「3部作」と称しているだけのよーだ。
ちなみに、バラードの『ヴァーミリオン・サンズ』とゆー作品に類似しているらしい。
俺は読んだコトねーけど。


飛浩隆とゆー人は、非常に遅筆家で…
ナント、150枚の中編の執筆に4年の月日を要し、
更に、この作品の完成までに10年もかかっているので…
この「3部作」の完結は、果たしていつになるのか?よくわかんねーし。

1000年の夏休み…
夏の区界…
数値海岸(コスタ・デル・ヌメロ)…
ヴァーチャルリアリティの仮想リゾートに住むAIたちの物語。
登場人物は、全員AIだ。
「滅びゆく世界を描いた美しい作品」とゆー評判を聞いて、読んでみたんだが…

よーするに…
この作品は、「美しい砂の城を作って、壊す」行為に等しい。
確かに「美しい砂の城」の部分は良かったんだが…
中盤~ラストにかけての「破壊」の部分の描き方が、ちょっと…
ヘンタイっぽい、っつーか、
SMっぽいっつーか…
好きになれねぇ~。
「残酷」でも、別に構わねーと思う。
が、あえてソコに性的な要素を入れる必要があるんだろーか?
ごく単純に、「暴力」だけで充分だったんじゃねーのか?
「苦痛」と「快楽」とゆー概念を持ち込んだために、何だか、すっげぇ~アブノーマルな世界になっちまってる。
ハッキリ言って、キモチ悪いっス。
そーゆうのがやりたいんだったら、もっと、そーゆう風に特化すれば良いと思うし。
バーカーみたいに。
何か…
やってるコトが中途半端で、何がやりてーのか?よくわかんねー作品だった。
百曲を聴きながら百冊を読み、同時に百皿の料理と一匹の蜘蛛(うええ)を味わう。
d0012442_23483276.jpg
グラン・ヴァカンス 廃園の天使〈1〉

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-01-04 21:33 | 文学

ふわふわ

村上春樹文
安西水丸絵
の絵本『ふわふわ』を読んだ。
こっ、これは…!
何つー内容のウスい本なんだ~?
よ~するに、「ボクは猫が好きだ」って話をダラダラと書いてるだけの本だ。
しかも、文章が超・ヘンだし!!

その猫が、長いあいだ使われていなかった広い風呂場を思わせるような、とてもひっそりとした広がりのある午後に、太陽の光のあふれた縁側で昼寝をしているとき、そのとなりにごろりと寝ころぶのが好きだ。
なんて文章は、こんなの…プロとして絶対、あり得ねぇ~!!
…っつーか、プロ以前に、作文の時間で、既にペケだろ~?
別に、アラ探しする気はねーんだけど…
主語と述語、そして修飾の関係が、ヒジョ~にわかりづれぇ~。

長いあいだ使われていなかった広い風呂場を思わせるような、とてもひっそりとした広がりのある午後に、太陽の光のあふれた縁側で、その猫が昼寝をしているとき、そのとなりにごろりと寝ころぶのが(僕は)好きだ。

コレだって、とても良い文章とは言い難いけど、この方が、まだマシなんじゃねーか?上の悪文より?
まだ意味がわかるだけ!
が…
文章だけじゃねーのだ。
この本のダメなトコは。
整理すると、こーなる…

1)まず、根本的に、文章がヘン!
2)そして、さらに悪いコトに…書いてある内容に、一切、共感出来ねー!!
3)その上、トドメは、絵にも納得しかねる!!!

つまり…
この本からは、何も伝わって来ねぇ~のだ。
せっかく、『ふわふわ』ってタイトルなのに…
全然、ふわふわじゃねーんだよ、この絵は!
「パサパサ」ってカンジ!?
猫の毛っつーか、カビみてぇ~なんだよ。
カビネコ!!
げろげろ~!!
猫の目が死んでるし!!
全く可愛くねーし!!!
剥製みてーなんだよ!猫が!!
猫に対して、愛情がねーんじゃねぇ~か?って思っちまう。
特にラストシーンの絵がサイテーだ。
猫の目がタレ目だし、虚ろだし!
ヒゲまで八の字に垂れてやがるし!
ホントにいるのかよ~?こんなブキミな生き物が!?

d0012442_1415684.jpg
ふわふわ

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-01-03 10:00 | 文学

ノディエ幻想短篇集

シャルル・ノディエ著『ノディエ幻想短篇集』を読んだ。

実をゆーと、炉辺話ってコトで…かなり期待してたんだが…
想像と違って、ちょっとザンネンだった。
あまりにも文体が独特で、異常に修飾の多い語り口に苦しめられた。
『マルドロールの歌』を思い出しちまったぜぇ~。

「ベアトリックス尼伝説」は、比較的、読みやすかった。
何だか、『アデルの恋の物語』みてーなカンジだったが。
キリスト教の教訓話?って気もするが。

ハイクラウンチョコみてーな挿絵が、なかなかいいカンジだった。
トニー・ジョアノとゆー人らしい。
d0012442_10583565.jpg
ノディエ幻想短篇集

[PR]
by inugami_kyousuke | 2009-12-13 11:02 | 文学
ケイ・トンプソン文
ヒラリー・ナイト絵
の絵本『エロイーズ、モスクワへいく』を読んだ。

どえらくロシアに対して批判的な作品で、ビックリした。
とは言っても、もちろん絵本だから、ストレートには描いてねーけど。
コミカルに描いてはいるものの、
よーするに「ロシア料理はマズいし、そこら中、スパイだらけ」って話なのだ。
実際にロシアに取材に行って描いた作品のよーなので、
おそらくその時に、かなりイヤな思いをさせられたんだろう。
他の作品と違って、ほとんど灰色で描かれてるし!
読んでても、あんまり楽しくねぇ~。
エロイーズらしくね~っつーか。
やっぱ、エロイーズはプラザホテルにいるのが一番なのだ。
何か、座敷童みてーだな~。
外交官なら、ロシア料理は、おいしいって言うはずよ。
はっきり言えば、てってーてきに、そうじゃないけど。


d0012442_0554596.jpg
エロイーズ、モスクワへいく

[PR]
by inugami_kyousuke | 2009-12-06 00:58 | 文学