びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

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陰陽師

【1点】

●夢枕獏原作…
とゆーよりも、大ヒットした作画のコミック版の勢いに便乗して製作されたカンジだ。
平安時代の「闇」や「雰囲気」や「気配」「情緒」といったモノを表現したかったのかも知れないが…
『帝都物語』のよーな、バリバリの「魔法合戦」を期待していたので、がっかりしてしまった。
コレは、おそらく、原作やコミック版のファンが、作品の世界観を楽しむためのアイテムなのだと思う。
「わびさび」だとか、「もののあはれ」の世界である。
全てが曖昧で、「ことのは」が魔力を持ち、人が鬼に変ずる世界である。
ある種、「原初の闇」にも通じる、「もののかたち」の定まっていない、混沌とした世界…。
●コレは、良くも悪くも「野村萬斎のための作品」で、俺は「安倍晴明=野村萬斎」とゆー入口の部分で躓いてしまったので、かなりツラかった。
「原作者の夢枕獏が自ら萬斎に出演依頼をしたから、この役は萬斎が一番だ」と言う人もいるが、俺はそうは思わない。
平井和正と生頼範義のよーな例もある。
殊に、小説家はビジュアリストではない。
全ての作家が、自分の作品のビジュアルを明確に持っているワケではないし、そのイメージが的確であるという保証も何一つない。
ハッキリ言って、書き終えた瞬間、その作品は作家の手を離れ、「一人歩き」を始める。
コミックでは、しばしばこうしたコトが起こる。
「作品」は作家の生み出した物だが、「作家のもの」ではないのである。
飽くまでも、作品は「読者のもの」なのである。
●萬斎はキツネ顔なので、安倍晴明自身が「もののけ」のよーな、不思議な感覚を覚える。
てか、コロッケに見えてしょーがなかった。
それにしても…源博雅役の伊藤英明は、なぜ、全編、口を開け放しなのか?
演技なのか、素なのか不明だが…すんげーバカっぽい。
バカっぽいが、存在感だけは特筆に価する。
真田広之と野村萬斎の演技の雰囲気がバラバラでヘンだ。
今井絵理子の蜜虫は、、本来、オイシイ役どころのハズだったのに…「いれば良い。可愛ければ良い」という演技力を問われない役だったんだが…
観客を魅了出来なかったのはイタい。
何よりも、晴明がイマイチ「強くない」のが、見ていてもどかしかった。
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by inugami_kyousuke | 2005-10-31 21:49 | 地獄行き(それ以下)

詩人の大冒険


【16点】

●チャウ・シンチー主演作品。
ヒロインは『紅いコーリャン』『菊豆』『さらばわが愛 覇王別姫』のコン・リーだ。
主人公のトン・バッフーという「天才詩人にして画家。音楽もたしなみ、んでもって、更にカンフーの達人」が、「真実の愛」を探しにゆく…という話。
実に香港らしい、「シッポの先まであんこが詰まったタイヤキ」みたいな、サービス満載のドタバタ・コメディだ。
●出だしから、いきなりワイヤーアクションを使った人体水墨画だし。
「技」っつっても、どー見ても、宙で静止してんじゃねーかよ~…
すべての「芸」は、1対1の「戦い」として描かれる。
んで、負けると血を吐いちゃったりして。
ラストは「シメはやっぱ、カンフーで!」とゆーコトなんだろーか?
「因縁のカンフー対決」が見せ場になっている。
必殺技も、「如来神掌」や「カ○○○波」まで出て来ちゃって、笑える。
●こーゆう作品を見ると、チャウ・シンチーという人は、「やっぱ、プロのコメディ俳優なんだなぁ~」と思う。
奉公先の奥様(チェン・ペイペイ)が、スゲーいい味出してんだよなぁ~。
●コ、コレも…声がジョーイ(平田広明)だ!
しかも、他の作品は、それなりに役柄に合わせて、声も変えているみたいだが…
今回は、モロにジョーイそのものじゃねーか!
ダ、ダメだ~!!映像はチャウ・シンチーなのに、ジョーイに見えて来ちまう~!!
オマケに、ジャニスみたいなのまで出て来るし…!
チャウ・シンチー監督作品のアブナげなストーリーテリングと比べて、非常にプロっぽく、うまくまとまった作品だ。
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by inugami_kyousuke | 2005-10-30 09:11 | 地獄行き(それ以下)

広州殺人事件

【30点】

●チャウ・シンチー主演作品。
「監督作品だけ、見りゃい~や!」と思ってたんだが、甘かった。
妻の「コレも見る~!」の一言で、見るコトに…。
●ン・マンタとかゆー志村喬みてーなオッサンは、ホント、毎回、いい味出してんなぁ~。
今回はチャウ・シンチーの甥って設定だけど、強引過ぎねーか!?
「絶対ない」ワケじゃないけど、フツーは甥よりは叔父さんの方が年上だろ~?
妊婦が血を吐くまで叩いたり、拷問したり、…残虐趣味はチャウ・シンチーのカラーだったワケではないよーだ。
●コレ…ホントに台本、あるんだろーか?
決して悪口で言ってるんじゃなく、マジで疑問だ!
とゆーのは、このよーな「破綻した(脱線した)脚本」を初めから計算して書くコトは、逆に難しいからである。
「破綻」と言っても、「作品として成立していない」という意味ではなく、作品として成立するギリギリの「線」を見切って、いわば「寸止め」で遊んでいるのだ。
つまり、「破綻している」のではなく、自ら「破綻させている」のである。
そして、一見したところ…その「方法論」は、既に確立しているよーに見える。
可能性としては、「完全台本」が存在しても、決しておかしくはないのだが、より考えられるのは、
1)「複数の人間が脚本を書いている・もしくは脚本に手を入れている」
2)「大まかな台本を元に撮影が始められるが、撮りながら、バンバン台本にセリフやシーンを書き込んでゆく」
…とゆー2つの内、いずれかではないだろーか?
たしか、TVドラマ『トリック』では、堤幸彦監督が後者の方法で演出していたハズである。
「天才肌」とゆーか、「無謀」とゆーか…
とにかく「異端」であるコトは間違いない。
てか、たまたま「1本の作品が」とか、「1人の監督が」とかではなく、この方法論が当たり前のよーに「文化」として社会に根付いているらしい…とゆー事実がスゴいと思う。
●ちなみに、後者の方法論は、日本では「舞台劇」の方法論として一般的である。
公演前の稽古中はもちろん、公演中であっても、随時、観客の「反応」を見ながら、脚本に手を入れてゆく…。
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by inugami_kyousuke | 2005-10-29 13:58 | 地獄行き(それ以下)
●イヤ~、面白ぇ~!
視聴率が初回が14.5%と低調だったので、「何だよ、人気ね~んだな~?」と思ってたら、2回目はいきなり18%にハネ上がっていた。
コレって、どーゆうコトなんだ!?
フツー、初回が一番いいモンだと思っていたが…。
●今回、桂昌院(江波杏子)が「碁を打つ」という、非常に象徴的なシーンから始まった。
正室・信子(藤原紀香) は飽くまでも傍観者として振る舞おうとする安子に「そなたは甘い!この大奥では、勝って笑うか、負けて朽ち果てるか、どちらかなのじゃ!!」と言い、
桂昌院のスパイ・音羽(余貴美子)は「ここは、戦場と変わらぬ“戦いの場”と心得まする」と語る。
「生きるという事は、この世の汚辱にまみれる事…」と、争いの渦中にありながら、頑なに戦いを拒否していた安子だが…
桂昌院と側用人・柳沢(北村一輝)の両者からゲームの「歩」として利用されるお伝(小池栄子)は、追い詰められて、安子が嫡子を出産する前に「暗殺」を企てるが…
自らの身を呈して安子を守った父・成貞(平泉成)の真意を知り、更に「お前の今あるは、母と夫が命を捨てて守ったからだという事を夢々忘るるな!」と言われるに至って、ようやく自ら「戦う意志」を固める。
成貞は、大奥という「魑魅魍魎の世界」に孤立無縁の安子を思い、既に自ら「ゲームの駒」となっていたのである!
安子懐胎、そして自らの側室・染子(貫地谷しほり)を綱吉に差し出した柳沢(北村一輝)の陰謀(おそらくは、染子懐胎)という胎動を経て、
安子の意志により、大奥総取締役として信子派の参謀・右衛門佐(高岡早紀)が就任するに至り、「パワー・オブ・バランス」の均衡が崩れ、戦いは全面戦争の局面を迎える。
…そして、ついに戦いの火ぶたが切って落とされるのである!
●「人生という戦場」において、個人が持ち得る「武器」は、百人百様だ。
ある者は極め尽くした「武芸」を武器に、またある者は「子供」を、ある者は「血統」や「人脈」を、またある者は、自らの「死」と引き換えに思いを遂げ、またある者は、研ぎ澄まされた「知」を武器とする…
臨界点をはるかに越えた爆発物の充満した「大奥」という密室で、右衛門佐という「点火プラグ」を設置し、今にも安子は火を付けようとしている。
●唯一、父・成貞という味方はいるものの…
大奥での安子は、相変わらず「孤立無縁」だ。
「徒手空拳」で桂昌院・お伝連合軍と正室・信子派という2大勢力のはざまにあって、まさか…
安子は『血の収穫』をやろーとしているのだろーか…?
だとしたら、スゴ過ぎる展開だ!!
何か、史実とはまるでカンケイのない完全なフィクションみたいだから、どんな展開になってもおかしくね~し!
綱吉のチョコっとだけ「フシギちゃん」の入った「バカ殿」っぷりも、実にアッパレだ!
●シリーズ「完結編」とも言われているが…惜しいな~。
いくらでも続ければい~のに…!!
ちなみに、今回の視聴率は14.5%だった。
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by inugami_kyousuke | 2005-10-29 08:50 | テレビ

ZIPANG

【42点】

●林海象監督作品。
1本の作品として見ると、もっと評価は下がるが…
つーか、かなり「0点」に近いかも知れね~。
本来、サブストーリーであるはずの「縄文人のエピソード」が、あまりにも冗長でつまらないので、決して他人に薦められるよーな作品ではない。
が、メインキャラクターである「地獄極楽丸(高嶋政宏)」と「鉄砲お百合(安田成美)」のキャラクター造形は、他に類を見ないくらい秀逸で、
「駄作」の一言で切り捨てるにはあまりにも惜しい!
てか…も~大好きだ!
この2人をメインにして、フツーにちゃんと撮ってれば、かなり純度の高いエンターテイメントに仕上がっていただろーに…!
この2人のキャラクターは、せがわまさきのコミック『バジリスク~甲賀忍法帖~』の雰囲気を醸し出している、とでも言えば良いだろーか?
この作品は非常に稀有な作品世界を構築するコトに成功している。
この手のモノを意図して、あえなく玉砕した作品は数知れない。
ソレを思うと、大変貴重なのだが…
「早送りしてトバしたい」くらい、とにかく「つまらねー話」がダラダラと続く。
「もう1回見たい」と思っても、またあのつまらねー部分を我慢しなきゃならねーと思うと…二の足を踏んでしまうくらいに!
林監督は、「ハリウッドで、今度は西部劇でパート2を撮る」と豪語していたんだが…結局、実現しなかったな~
色んな意味で、ザンネンな作品。
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by inugami_kyousuke | 2005-10-28 20:22 | 地獄行き(それ以下)

帝都大戦

【12点】

●荒俣宏原作の『帝都物語』の続編だが…
「2」ではなく、「大戦」とする(わざわざタイトルを変える)必要が、一体、どこにあったのか?
監督は、『孔雀王』『孔雀王/アシュラ伝説』と同じ監督だ。
1作目の実相寺昭雄監督の格調高い映像美と比べ、格段にグロ度がアップし、ホラーテイストが増している。
とても続編とは思えないくらい質の違う作品だ。
まぁ、コレはコレで楽しめるが…
●今回は、呪術バトルではなく、」風水バトルの様相が強い。
実は、原作では、まだこの後に続きがあって…
「近未来編」という、美しくも壮絶なフィナーレが用意されているのだが、角川春樹まで登場したりする、かなりブッ飛んだ内容だったため、さすがに映画化されるコトはなかったよーだ…
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by inugami_kyousuke | 2005-10-27 20:24 | 地獄行き(それ以下)

孔雀王/アシュラ伝説

【0.2点】

●何なのかな~コレ?
どーして、パート2って、こんなんなっちゃうんだろーか?
1本目は何回も見たのに、コッチは2度と見る気がしねぇ~。
主役の孔雀も、1作目の三上博史から阿部寛に変わって…
何つーか、「ついて行けないくらい」イメージが変わっちまった。
ミョ~にデカいし…って、三上がちっちぇ~のか?
まぁ、どっちでもいいけど、尺寸もキャラクターも、何もかも、違い過ぎててヘンだ。
まさか…博史と寛で、「ヒロシつながり」っつーコトじゃねーよな~!?
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by inugami_kyousuke | 2005-10-26 19:51 | 地獄行き(それ以下)
●ヤバいヤバい、ヤバ過ぎる!!
「ジョジョ」第7部=スティール・ボール・ラン連載半ばで…
またもや荒木飛呂彦が「進化」し始めたぞ~!?
先月から、ストーリーも大幅に軌道修正していたが…
今月は、ナント画風まで、ガラリと「劇画調」に変わって来た!
●かつて『カムイ伝』の途中で、白土三平が竹ペンを使った独特の画風を捨て、突然、『子連れ狼』の小島剛夕みてーな劇画調に変わった瞬間を思い出した。
「逆境」をバネにして、逆に「成長」しやがった!
やっぱ、荒木飛呂彦とゆーオトコ…タダもんじゃねぇ~!!
●と、特に、今回の、このストーリーは…
こっ、この展開は…!
単なる「大陸横断レース」だったモノが、いつの間にか、「聖体探し」の旅になって来てるじゃねぇ~かよ!?
『インディー・ジョーンズ』シリーズに出て来たのは聖櫃と聖灰、そして聖杯だった。
『エヴァンゲリオン』に出て来たのは聖槍だった。
その他にも、世の中には、聖衣だの聖骸布だの…いわゆる「聖遺物」の伝説はゴマンとあるが…
今回、荒木が始めたのは…
大陸に散らばった聖遺体のパーツを集めて回る…つまり、最終的には、「キリストの遺体が完成する」ワケで…
その時、一体、何が起こるのか?
メシアが復活するのか?
それとも、単に「神の力」を手に出来るよーになるだけなのか?
荒木とゆー作家は、第6部では、一度、世界を再生させているだけに…
この先、まだまだ何をやらかしてくれるか、わかったモンじゃねぇ~!
少なくとも、俺が知る限り、未だかつてこんなコトを考えた人間はいねぇ~。
●この瞬間に立ち合えて、光栄だ!
荒木、サイコ~!!
死ぬまで「ジョジョ」を書き続けてくれ~!!
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by inugami_kyousuke | 2005-10-25 20:47 | コミック

孔雀王

【3点】

●オンマユラキランデイソワカ…!
とゆー真言と共に大ヒットした荻野真のコミックが原作だが…
少なくとも、俺の印象では、原作とは全然違う。
三上博史は原作の孔雀に似ても似つかねーし、なぜかユン・ピョウが…!?
安田成美とか、グロリア・イップとか、ミョ~に色んな人が出てるんだが…こんな監督、知らねぇな~。
「日本と香港の合作」とゆーコトらしいが…。
ショボい作品だが、個人的には、原作よりはずっと好きだ。
●そもそも、原作自体が「ブームを創り出した」とゆーよりは、「ブームに便乗した」作品だった。
つーか、たしか「盗作じゃねーか?」とか言われてたよな…。
たぶん、元ネタは夢枕獏の『魔獣狩り』に登場する美空とゆーキャラクターじゃねーかと思うんだが。
この盗作騒動は、夢枕獏の「マネたいヤツは、マネれば良い。好きにすれば良い」とゆーコトバで、打ち切りとなった。
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by inugami_kyousuke | 2005-10-25 20:34 | 地獄行き(それ以下)

喜劇王

【12点】

●チャウ・シンチー監督、主演作品。
主人公は売れない役者…つーか、映画のエキストラだ。
彼の恋を描いた作品で、深作欣二/つかこうへいの『蒲田行進曲』みてーな設定だ。
ラストも、なんとなくハッピーエンドっぽいけど、よく考えてみると、問題は何一つ解決していな
い。
主人公は、役者として認められたワケじゃね~し、経済的にもおそらく苦しいままだろう。
タイトルは『喜劇王』だが、別に喜劇役者じゃね~し!
…て考えると、やっぱ、コレって、ラブストーリーだったんだ~?
●チャウ・シンチーの作品って、1つの作品の中に色んなテーマが混在していて、
明らかに伏線が張られているにも関わらず、回収しないで終わってしまったりするので、
1本の作品として評価すると、どーしても低目の評価になってしまうのである。
どーやら、チャウ・シンチーの考える「映画」と、俺の考える「映画」の概念自体に、大きなズレがあるよーだ。
もちろん、コレは、あくまで俺の想像だが…
おそらく、チャウ・シンチーにとって「映画」とは、「1時間半から2時間の間、思いっきりたっぷり楽しんでもらって、スッキリして帰ってもらうモノ」なのだ。
そして、そのためには手段は選ばない…!
いわゆる「涙あり笑いあり」…
って、コレ、日本で言えば、「映画」とゆーよりも、むしろ「芝居」の感覚に近いんじゃねーだろーか?
おそらく中国では、映画は日本よりもずっと庶民的で身近な娯楽なのだろう。
●エキストラ役で、突然、ジャッキー・チェンが出て来たのには、ビックリした。
ヒロインは、ものスッゲー口の悪いオンナだが、主人公があり金はたいて「ホステスの出張料金」を払った時、帰りのタクシーの中で、大泣きするシーンは良かった。
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by inugami_kyousuke | 2005-10-24 22:12 | 地獄行き(それ以下)