びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

タグ:南條範夫 ( 1 ) タグの人気記事

南條範夫原作、山口貴由作『シグルイ』全15巻を読んだ。
タラちゃんも真っっっ青な、「残酷時代劇の極北」みてーな作品だ。
「グロ」の極北と言っても良い。
個人的には、「ココまでグロじゃなくても良かったんだけどなぁ~」と思う。
が、ミスター残酷=南條範夫が原作だし、
そもそも、ココまで描いたからこそ、注目された(売れた)ワケだから、まぁ…しょーがねーとも思うが。
でも、別に、けっしてコレが画期的な試みだったワケでもない。
もーずっと昔に、平田弘史が、さんざんこの手は描き尽くしてるワケだからよー。
俺としては、今さら山口貴由がやるべき仕事なのか?と大いに疑問を感じていた。
俺にとっては、山口貴由とゆー人は、もっと他に、やるべき仕事があるよーに思えて仕方がねぇ~のだ。

…………………え゛!?
ってカンジだった。
正直。

南條範夫の原作『駿河城御前試合』も既読なので、ラストが唐突なのは承知の上だ。
それでも、コ・レ・はっ…?
とゆー印象をぬぐいきれねぇ~。
疑問の残るラストだった。
あんだけ広げまくった大風呂敷を、コレで終わらせるって?
ハッキリ言って、無理だろ!!
コレだけじゃ、たぶん、意味不明だと思うぜー。
断言するけど…
オチてねーです、この話!!

解説しよう!
よーするに、この話は、
無敵を誇った岩本虎眼の秘剣「流れ星」を
伊良子清玄が新たに編み出した秘技「無明逆流れ」によって破り、
さらにそれを藤木源之助が研鑽した無名の技によって破る(=師の仇打ちを果たす)…とゆー話だ。
それぞれの必殺技を考えてみると…
虎眼の「流れ星」と清玄の「無明逆流れ」は、原理的には同じモノだ。
剣を片手で持つか、両手で持つか?
あるいは横薙ぎか、斬り上げか?
とゆー程度の違いでしかない。
つまり、「無明逆流れ」とは、「流れ星」の一亜種に過ぎないのだ。
が、一方、源之助の技は、虎眼流とは全く無縁の技であり、
本来、源之助が得意とする「鍔迫り」の延長線上に存在する。
虎眼流が、腕~剣を鞭のように高速で疾らせ、カミソリのような効果を生むのに対し、
源之助の技は、その真逆の発想から生まれた。
すなわち…
まず、「鍔迫り」によって、相手を不動の状態に縫い止めた後、
剣の切っ先を地面に固定し、
あとは己れの全体重と筋力を用いて、相手を切断してゆくのだ。
ゆっくりと。
テコの応用で。
コレは、カッター台と同じ原理だ。
15巻のラストでは、この源之助の技に関する説明が一切、ね~のだ。
ちなみに、冒頭の部分で、源之助が清玄に遅れを取ったのが、他でもない、この「鍔迫り」であり、
最終的に、源之助は己れの得意技であるこの技を極限まで研鑽し、
いわば「ハイパー鍔迫り」によって、清玄を打ち果たしたワケである。


また、同時に、この物語は、
虎眼=天才、
清玄=天才、
源之助=秀才、
とゆー三者の物語であり、
天才ではない源之助が、血の滲むよーな努力の末に、
ついに清玄=天才に勝利する、とゆー話なのだ。
「たゆまぬ努力こそが、真の才能さえも凌駕する」と。
あと、ついでに、もー1コ…
実は、随分、前から気にはなってたんだけど、
この表紙…不必要にヘンタイっぽくねーですかね~?
俺、こーゆうのはちょっと…。
たしかに残虐とエロス(耽美)っつーのは、表裏一体なのは理解出来るけど、
表紙だけ見てると、コレ…
カンペキその手の本にしか見えねぇ~と思うんだが?
一体、何考えてんだ、秋田書店!?

d0012442_12171469.jpg
シグルイ

[PR]
by inugami_kyousuke | 2010-11-21 09:41 | コミック