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犬神狂介の【狂人日記】

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着信アリ2

【30点】

●いや~、楽しませて頂きました!
ホラーではなく、パズルとして。
おそらく、意図してこーゆう作品を作ったワケではないと思う。
計算して、このよーに二重三重に破綻した作品を作るコトは、逆に難しいからである。
方法論としては、「やりたいコトをどんどんブチ込んでいったら、結果的にツジツマが合わなくなった」クチだろう。
この作品には、優に通常の作品の3本分くらいの情報量が詰め込まれている。
『黒死館殺人事件』や『虚無への供物』、『ドグラ・マグラ』といった作品には、長編を10冊書けるくらいのネタが、惜し気もなく詰め込まれている、と言われる。
もちろん、これらの名作は破綻していないし、破綻していても、ソレは計算だ。
この作品とは、比べるべきものでもない。
●監督は代わったが、秋元康+角川+日テレという基本ラインは1作目と変わらない。
ヒロインは1作目の柴咲コウから、ミムラと瀬戸朝香のW主演になった。
秋元は「この作品は、1回見ただけじゃわからない。7回見て下さい」と言っているが…
見てられっかよ、7回も~!?
商業映画として、果たしてソレでいーのか!?
とか言いつつ、早送りを含めて、既に3回も見ちまったけど…。
(あぁ…いちお~断っておくけど、面白くて何回も見たワケじゃねぇから!
あまりにもワケわかんねーんで、確認のために見ただけなんで…!!)
●今回も、見事な「足し算」っぷりで、基本の『リング』、『羊たちの沈黙』に加えて、
幽霊の演技は『呪怨』の伽椰子そのままだし、ビデオカメラの使い方は『ブレアウィッチ・プロジェクト』、
そして最後は『シックス・センス』…パロディ映画かと見まがうくらいのパクリっぷりは、まさに壮観だ!
●「7回見ろ」と言うだけあって、ストーリーはかなりごちゃごちゃしていて、わかりづらい。
てか、わからす気ねぇ~だろ!?
結局、1作目の水沼美々子による「赤いアメ玉事件」と、今回の台湾を舞台にしたリー・リィによる「石炭事件」の2つの事件が存在し、
更にソレに瀬戸朝香の「妹殺害事件」という個人的な記憶がからんで来るため、ヒジョ~に煩雑になってしまった。
そして、それら3つの事件も、決して単独で存在するのではなく、
「アメ玉事件」と「石炭事件」は美々子の祖父が台湾の「リー・リィに皆殺しにされた村」の生き残りで、
祖父の遺体が握りしめていたケータイのメモリーに美々子の電話番号が入っていたのではないか?…と(かなり苦しい)説明をしていた。
つまり、リー・リィの呪いが国際電話で美々子を殺し、その後、なぜかリー・リィは台湾を出る事はなく、日本は美々子の「呪い」担当エリアとなった模様。
また、瀬戸朝香の双子の妹は、公衆電話で、直接リー・リィに殺されたよーである。
昔は、ケータイがなかったため、リー・リィは電波搭を介して、世界中に単発で電話をかけまくり、「連鎖しない」殺人を行なっていた、と思われる。
ケータイが普及して、初めて呪いが「連鎖する」よーになり、「便利になった」というコトらしい。
●それにしても…ストーリーの整合が取れていないのは相変わらずだが、どー考えてもオカシイ部分が多過ぎる。
ちなみに、今回から「別人が呪いの電話に出ると、身代わりに死ぬコトが出来る」という、例外ルールが加わったらしい。
そして、なぜか、全てのドアは(都合良く)開いている。
この作品では、破壊したケータイが、何度でも再生する。
「捨てたハズの人形が、何度も戻って来る」という話なら、よくある話だが…。
リー・リィには、『キューティ・ハニー』の空中元素固定装置みたいな能力があるらしい。
元々は予知能力だけだったのに、いつの間にか、スーパーエスパーになってしまった。
サイコキネシスも使えるし…。
しかし、ラストの、ミムラの横に「天から降って来るネックレス」は、明らかにリー・リィの能力によるモノではない。
んじゃ、アレは何だったのか?
ひょっとして、監督の能力か?
●瀬戸朝香は、炭坑に入った直後に、なぜか美々子によって、包丁で刺し殺されている。
ソレを説明するためだけに、わざわざ腕時計を止めたりしているが…
スゴいのは、この時、美々子と包丁は「実体化している」という点である。
更に、美々子は瀬戸朝香の夫の元にも出現し、窓を叩き割り、部屋に侵入し、「実体化した包丁」で刺し殺している。
(この「包丁」は、パート1で柴咲コウが持っていた「包丁」なのだろうが…今回、やたらしつこく「包丁」のイメージが登場する。
中華料理店の壁には、額に入った「包丁コレクション」みたいなモノが飾ってあったし、台湾の美々子の祖父の家では、魔よけなのか、天井から無数の包丁が吊ってあった)
そーすると、瀬戸朝香が「夫を助けた」1回目の記憶は何だったのか?
死ぬ間際の「夢」だったのか?
だとしても、ラストで泣き崩れたミムラを、クルマで病院まで運んだのは瀬戸朝香のハズである。
つまり、瀬戸朝香もまた、「実体化」しているのである。
そして、夫の家へ行き、なぜかテーブルに置いてあるビデオカメラを再生して、真相を知る。『シックス・センス』や『ゴースト』では、あくまで死後は「霊」として描かれていたが、この作品は違う。
「霊」は、いつでも好きな時に「実体化」出来るよーだ。
「美々子の祖父の家」や炭坑で、瀬戸朝香の身辺にうろちょろ現れる「霊」は、結局、妹ではなく、美々子だったのだろーか?
夫を殺したのは、明らかに美々子だが、ビデオに映っていたのは、瀬戸朝香が包丁を振り下ろすシーンだった。
すると、美々子はわざわざ「瀬戸朝香の姿に実体化した」コトになる。
●妻の解釈では、この霊はリー・リィを中心とした、いわば「DV被害者の会」みたいなモノで、殺された時点で、柴咲コウも瀬戸朝香も「取り込まれて」しまっているのだ、という。
かつて「幼児虐待」を受けた者は、みな取り込まれてしまうのだろうか?
そんなコトしたら、どんどん増殖しちまうじゃねーかよ~!?
「呪われた村」の最後の生き残りの老婆は、なぜ死なないのだろーか?
「自分の目を潰す」事と、「生き残った」事の間には、何か関係があるのだろーか?
ミムラと瀬戸朝香の「人間ラジオ化」みたいな超常体験は、一体、何だったのか?
あと、炭鉱で、袋詰めにされてたトモダチの霊は…ホントに意味不明だった。
何のために出て来たのか…
冒頭で、ミムラの幼稚園に子供を迎えに来た「赤いハイヒールのブキミなおかーさん」はナニ?二度と出て来ねーんですけど~?
●秋元康は「パート7まで作りたい」とか言ってるけど…
次は、ちゃんとわかるよーに作って下さいね。
はっきり言って、この作品は、わかるコトよりも、わからないコトの方が多いっス~!
ちなみに、ハリウッド版は、通常と違い「角川がハリウッドに乗り込んで作る」らしい。
ってコトは…?
よくわかんねぇ~な~。「セルフリメイク」ってコトか??
んで、「パート3」になるんだろーか???
あ~、それと、最後にもー1コ。
ラストシーンで、なにゆえ瀬戸朝香の口からアメ玉が~?
瀬戸は、すでに霊なのにィ~…!?
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by inugami_kyousuke | 2005-08-23 20:59