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犬神狂介の【狂人日記】

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シャーロットのおくりもの

【15点】

E・B・ホワイトの名作絵本が原作、ダコタ・ファニング主演作品。
ジュリア・ロバーツ、ロバート・レッドフォード、キャシー・ベイツ…などが声優として、動物たちの声を演じている。
ストーリーとしては、「子ブタがソーセージにされるのを救う」ってだけの、非常に単純な話だ。
納屋の動物たちが、みんなで、仔ブタをプロデュースする話。
プロデュースは、「言葉で仔ブタをカテゴライズする」とゆー手法による。
コレは、最も単純で原始的なCMやコピー、ポップの形である。
そもそも、人は…言語を使わないと思考するコトが出来ない。
もしもウソだと思ったら、ためしに一度、言葉を使わずに何か、考えてみると良い。
そんなコトは不可能だ、とわかるハズだ。
すなわち、言語なき思考などはあり得ないのだ。
「特定のモノをカテゴライズする」とゆーコトは、受け手の意識を誘導し、操作するコトに他ならない。
例えば…
ここに水があった、とする。
見た目は、水は水だ。
ただの水。
その水に、「おいしい水」とゆー名前をつけた、とする。
すると…
「へぇ~、おいしい水なんだ~?」と素直に思う人もいれば、
「ホントにおいしいのか~?」と懐疑的に疑う人もいる。
が、いずれにせよ、名前をつけた瞬間から、その水はただの水ではなくなるのだ。
つまり、「おいしい」とゆー概念を、受け手に対して植えつけたコトになる。
この作品で、動物たちが人間に対して行っているのは、そーゆうコトだ。
その為に、彼等は「言葉集め」をする。
ネズミは、「言葉狩り」の旅に出る。
…と、観念的には非常に面白い話だが、映画としては、いささか地味で面白味に欠ける。
また、奇跡が重要なモチーフとなっているが、その奇跡とは、宗教的な文化に根ざしているので、文化圏の異なる日本では、充分な説得力を持たないよーに思う。
よーするに、実は、「奇跡は自分の中にある」とゆー話。
ファーン・エラブルとウィルバー、ウィルバーとシャーロットの絆は感動的だ。
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by inugami_kyousuke | 2007-08-19 19:42