びぶりお・まにあの詩


by inugami_kyousuke

17歳のカルテ

【81点】

スザンナ・ケイセン原作、ウィノナ・ライダー製作総指揮・主演作品。
自殺未遂をしたスザンナ(ウィノナ・ライダー)は、「境界性人格障害」と診断され、精神療養施設に入院させられて…とゆー話。
スザンナ・ケイセンの回顧録的小説『思春期病棟の少女たち』に共感したウィノナ・ライダーが、製作総指揮~主演まで務め上げた作品だ。

いい作品だ。
名作と言って良い。
思春期版・『カッコーの巣の上で』みたいなカンジだ。
暗く、悲惨な物語だが、飽くまでも美しく、希望の光をつむぎ上げてゆく手腕が見事だ。
正気と狂気の境界はどこにあるのか?を考えさせられる。
精神病を描いた作品ではあるが、この作品の真のテーマはモラトリアムにある。
療養施設は、飽くまでもその舞台設定に過ぎない。

誰もが、ギリギリの状態だ。
ピンと張りつめて、今にもプツン、と切れてしまいそーなほど。
自分のコトだけで、精一杯の状態。
だから、自分以外の、「外の世界」を受け入れる余裕なんか、どこにもない。
「外の世界」を受け入れないから、「生の自分」と「外の世界」がぶつかった時、重大な問題が生じてしまう。
まず、自分を見つめ直し、整理をつけてから、徐々に「外の世界」を受け入れてゆく。
自分の中に、「他人」を入れてゆく。
自分を押し付け、理解させるのではなく、
自らが共感し、理解し、受け入れるのだ。
そして、「自分だけの世界」から、「自分と、他の人たちのいる世界」へ戻ってゆく…
この作品で描かれたスザンナの心の軌跡は、以上のよーなモノだったよーに思う。

反社会的人格障害のリサ(アンジェリーナ・ジョリー)の個性が鮮烈だ。
看護士役のウーピー・ゴールドバーグも、イイ味を出している。
つい最近、「ウーピー・ゴールドバーグが仕事を干されている」と聞いたが、実にザンネンな話だ。
いい女優なのにな~。
なお、アンジェリーナ・ジョリーは、この作品でアカデミー助演女優賞を受賞したが、
今まで俺が見た中で、この作品が、いちばん「素のアンジェリーナ・ジョリー」に近いのではないか?と感じた。
『下妻物語』における土屋アンナみたいな、いわゆるオイシイ役どころだった。
システムチキンがついてるの。
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by inugami_kyousuke | 2008-06-08 22:02 | 地獄行き(それ以下)