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犬神狂介の【狂人日記】

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椿三十郎(2007)

【0.00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000…1点】

学芸会。
以上。

駄作だ!
しかもコレは、「劣化コピー」とゆーよりも、むしろ「冒涜」に近いかも。
つーか、そもそも、リメイクする必然性が理解出来ねぇ~。
オリジナルが、すでにカンペキに近いんで。
それを越えるコトはまず不可能に近いし、
同等の作品にするコトすら、非常に困難だと思う。

オリジナルをダイヤモンドだとしたら…
コイツはただの石コロだ。
オリジナルを「モナリザ」だとしたら…
コイツは、ヘッタクソな模写に過ぎね~し。
ソレを、恥ずかし気もなく、「新モナリザ」と言って売ってるよーなモンだ。

こんなんだったら、TVの2時間スペシャルで充分だったと思う。
いや、「スターかくし芸大会」か?
コレが「かくし芸大会」だったら、俺だって拍手を惜しまなかったと思うけど。

実をゆーと、まず、企画を聞いた時点で、耳を疑った。
「無謀だし、暴挙だ」と思った。
さらに監督の名を知った段階で、「こりゃ~ムリだろ?」と思った。
そして最後に、主演を聞いた段階で、「ぜってぇ~失敗する!」と確信した。
唯一、成功する可能性があるとしたら…
それは、マトモにリメイクするのではなく、「リ・イマジネーション」…よーするに、監督や主演の色で、「オレ流・椿三十郎」を再構築する方法だった。
織田裕二主演で撮るのなら、シリアスではなく、コメディ・タッチにするとか。
いっそ、思い切って、現代劇にしちゃう、とか。
もっと思い切って、近未来SFにしちゃうとか~!
タイトルも「TSUBAKI×××」にして…
いや!
アニメ『素浪人・椿くん』てのは?
それも、斬っても斬っても血が出ないヤツ!

それが…
織田流・椿三十郎どころか…
単なるモノマネになっちゃってんじゃねーかよ!?
役作りってモンをしねーのか、アンタはよ~!?
それに、何だか、ずぅ~~~~~っと斜め上を見てるけど、一体、どこ見てんだっつーの!!
「椿三十郎」を演じなきゃいけねーのに、「三船敏郎のモノマネ」やってど~すんだよ!?
宴会芸じゃねーんだから!!
自分が何やってるか、ホントにわかってんのか?
しかも!
織田がカン違いしてたら、監督はソレを止めなきゃダメだろ!?
それとも…
まさか、このサル芝居は監督の演出だったとか!?
「ひたすら、ミフネっぽくお願いします!」とか~?

こんなモン作るくらいだったら、ちゃんと金かけて、デジタルリマスターして、オリジナルをカラー化するとか、
もしくは、オリジナルの三船敏郎の顔を、織田裕二にすげかえただけで充分だろ!

ほんのチョコっとでも黒澤明をリスペクトする気持ちがあったなら、こんなモン作れなかったハズだ!
作っても、恥ずかしくて、公開なんか出来なかったハズだ!!

根本的に、織田裕二はこの「椿三十郎」の役に合わない。
「椿三十郎」とゆー素浪人は、もっと汚なく、ヨゴレてて、野良犬みてーに飢えてギラギラしてなきゃダメのなのだ。
織田裕二は、何つーか…
「飽食したお坊ちゃま」っつーか、
せいぜい「贅沢なエサを与えられてコロコロ太った飼い犬」程度にしか見えねーぞ。
「椿三十郎」は無頼漢なのに、全く無頼漢に見えねぇ~。
「抜き身」のハズなのに、バッチリ鞘におさまってるカンジだ。

豊川悦司の室戸半兵衛は、実は、ちょっと期待してたんだけど…
ヒドかった~。
ガッカリだった。
迫力もねーし、かなりマヌケに見えた。
この、室戸って男も、椿三十郎と同類の無頼漢なんだが、豊川=室戸は、ちっともギラギラしてねーんだよ~。
むしろ、粘液質っつーか、爬虫類っぽいっつーか…
ちげ~んだよなー、キャラが。全然!

中村玉緒と藤田まことの城代夫妻も良くなかった。
中村玉緒はミスキャストだし、
藤田まことはごくフツーのジイさんにしか見えなかった。
やっぱ、城代は、もっと、狸っぽくねーと!

そして、何よりも…
ラストシーンがサイテーだ!
オリジナルのラストシーンは、映画史に残る名シーンなのに…
コレじゃ、台無しだろ!?
わずか一太刀の攻防が生死を分ける、侍とゆー生き方。
一瞬にして訪れる、死とゆー重い現実。
この作品のテーマが集約されたシーンだったのに…
ヘンなリプレイシーンなんか挿入しやがって!
K-1ですか~!?みたいな。
てか、センスね~よ。
誰のアイデアか知んねーけど。
いっそ、分割画面にして、画面の端っこに経過時間と「リプレイ」の文字を入れて、実況も入れたら良かったんじゃねーか?
コレじゃ、ブチ壊しじゃね~かよ!?
ダラダラ描いてど~すんだ?
一瞬だからこそ、意味があるのに。
ハッキリ言って、このラストシーンだったら、この映画を作った意味がねー。

映画としては、ホンットにダメダメだけど…
もちろん、何もかもがダメなワケじゃない。

風間杜夫が、予想外の熱演で、ビックリした。
今までに見た風間杜夫の作品の中では、銀ちゃんの次にイイかも?
松山ケンイチも、けっして悪くなかった。
てか、コレ…
最初から、松ケン主演にしてりゃ、もっとマシな出来になったんじゃねーのかよ?
松ケンと織田裕二を入れかえて、も1回、作り直せよ!
佐々木蔵之介も面白かった。
鈴木杏もそれなりだったし。
ちなみに、ミョ~にキレのいい演技だった「腰元のこいそ」役は、『セクシーボイスアンドロボ』の一海ちゃん(村川絵梨)だったらしい。
椿三十郎(2007)_d0012442_23131246.jpg

by inugami_kyousuke | 2008-06-28 12:15