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犬神狂介の【狂人日記】

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ファミリー・プロット

【89点】

●「ヒッチコックの遺作にして、最大の駄作」と言われているが…俺は、逆だと思う。
ヒッチコックが巨匠であるコトを否定する心算はない。だが、それらは既に「古典」であって、特に、ヒッチコックのようなサスペンスに特化した作品の場合…今見るには、少し古過ぎるんじゃねーだろ~か?
●サスペンスというジャンルを考えるならば、作品の「テンポ」は非常に重要な構成要素の一つである。はっきり言って、ヒッチコックの名作は、現代に見るには冗長だ。あの内容ならば、30分で充分である。
固定カメラで××分の長回し…なんてじっと見てるほど、俺はヒマじゃね~んですけど。
●従って、「ヒッチコックらしくない」と酷評された晩年の作品の方が、少なくとも俺にとっては面白いのである。それに、最後の数本は、決して出来が悪くて作風が「崩れた」のではなく、わざわざ「崩した」ように俺には見えるのだが…?
●確かに、ヒッチコックはサスペンスの「職人」であったのかも知れないが、だからこそ、自らの作った「形式」を壊す必要があったのではないだろうか?たとえ、それが実験的で、失敗する可能性が高くても「やってみたい」と思うのは、当然であろう。
そして、未だにその「失敗作」と言われる作品を後世の作品が越えられないのは何故なのか?人は、誰かが貼ったレッテルにとらわれず、自分の目で見て、自分のアタマで考え、自分の感性を信じて、自分だけの評価を下すべきではないだろうか?
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by inugami_kyousuke | 2005-06-05 22:02