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犬神狂介の【狂人日記】

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人のセックスを笑うな

【2点】

山崎ナオコーラ原作、松山ケンイチ主演作品。

ココで言う「セックス」とは、「エッチ」とゆー意味ではなく、もっと広義に「恋愛」とか、「生き方」とか、あるいは「性(さが)」とゆーよーな意味合いであるらしい。

基本的に、みるめ(松山ケンイチ)とユリ(永作博美)の、19歳と39歳の恋愛を描いた作品だが…
正直、俺は、あんまりキョーミね~です。
作品としては、面白くなかった。
ユリは、倫理観の欠如したオトナコドモだし、
みるめは、まだ自分の価値観も定まっていない、本物のコドモだし。
正しい意味で、コレが「恋愛」であったのか?も大いに疑問だ。
みるめにとって、コレが人生最初の恋だったのならば…
非常に不幸だ、と思う。
この経験は、今後の彼の人生観・倫理観を大きく左右するコトとなるハズだから。

ユリとゆー女は、「自由な女」とゆーよりは、むしろ「勝手な女」だ。
「触ってみたかったら、触ってみればいいじゃん?触ってみなきゃ、何もわからないよ?」
とユリは唯物主義のよーなコトをえんちゃん(蒼井優)に語るが…
この論理で行くと、「死」を理解するには、一度、死ななくてはならないコトになるじゃねーか!
「麻薬」を理解するには、一度、ラリってみなきゃならないコトになるじゃねーか!
そんなバカな話はない。
人間は、いちいちそんなバカなコトをやらかさなくても済むよーに、「思考する」力があるんじゃね~かよ?
たしかに、実証や実践も大切だ。
が、決して、それが全てではない。

ユリは、タバコを吸わなかったり、コーヒーではなくココアを飲むえんちゃんや、
辛いからカレーがキライだったり、わさび抜きの寿司しか食べられないみるめを「お子ちゃまだねぇ~」と決めつけるが…
俺の目には、そんな彼女は、何だか「うす汚れた女」に見えた。
ユリとえんちゃんは、非常に対称的な存在だ。
「触っちゃえばいーじゃん?」と言われたものの、えんちゃんはラブホで、結局、みるめの唇に触れなかった。

それにしても…
長回しが多いなー、この監督。
「愚かで滑稽なニンゲンの生態を描く」のが、この作品の主旨なんだろーが、
蒼井優の長回しの演技が面白かった!
特に、ギャラリーで、座ったまま、スーッとお尻ですべって行って、
最初は1コ、食べてみて、(すげ~ウマかったらしく)最後は、皿ごとかかえて、チョコレートをガツガツ食うシーンなんか、サイコーだった!
映画館のカウンターの中で、しゃがみ込んでて、いきなり立ち上がるシーンとか、、
寝ちゃったりするシーンも面白かったし。
この作品は、みるめとユリなんかより、
えんちゃんの視点から見た方が、はるかに良いと思う。
毒ガス~!
人のセックスを笑うな_d0012442_1555175.jpg

by inugami_kyousuke | 2008-08-16 02:59