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犬神狂介の【狂人日記】

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蟻の時代

ウェルベル・コレクション2『蟻の時代』を読んだ。

「蟻3部作」の2作目だ。
1作目は、397ページだった。
今回は、増量して、503ページになっている。

面白かった。
でも、1作目ほどの衝撃はない。
良くも悪くも、続編っつーか…
後日譚だ。
例によって、
・ナゾの連続殺人事件
・地下生活者たちのその後
・蟻の世界
の3つの話が、交錯しながら語られる。

蟻(103号)と人間との対話は面白かった。
ちなみに、「指」とゆーのは、蟻から見た人間の呼び名だ。

受信“頭に、長い毛のあるものは、病気なのか?”
発信「ある雌たちは、雄を上手に魅惑するために毛を伸ばしている」
受信“雌に羽がなくてどうするの?”
発信「羽のある指などいない」
受信“有性のものでもか?”
発信「ないのだ」
103号は画面を注意深く見る。指の雌はまったく醜いと思う。
受信“甲殻の色をカメレオンのように変えるのか?”
発信「甲殻はもっていない。肌はバラ色で何も着けていない。あらゆる色や模様の服で保護している」
受信“服?捕食動物から逃れるためのカモフラージュなの?”
発信「と言うよりは、寒さから身を守ったり、個性を見せるためのもの。植物の繊維を編んだものだ」
受信“あっ、そうか。チョウの求愛と同じだね?”
発信「そういうところだ。しばしば、われわれの雌は、雄の注意をより引くように着飾るのだ」


恒例の『相対的かつ絶対的知の百科事典(エンサイクロペディア)』の引用も、今回は第2巻からの引用となっている。
芸が細けぇ~っスねー。
クイズも健在だ。

<さて、この下にくる数字は何でしょう?>
    1
    11
    21
   1211
  111221
  312211
 13112221

1113213211

<頭がよければよいほど答えは見つけにくい。そして知っていることを忘れなくてはいけない。この謎の元は、絶対的な簡潔さにあります>
蟻の時代_d0012442_23424017.jpg
蟻の時代 ウェルベル・コレクション〈2〉

by inugami_kyousuke | 2009-03-01 23:08 | 文学